遠く、鳴り響く雷の音を耳にしながら
文庫本を片手に読書を
愉しむひと時
静謐な時間のはざまに
漂っているかのよう
安住の時空間
つかの間、精神は解き放たれ
意識と、そして、無意識は
集まっては散逸し
そこかしこに
鎮座する
まさしく自由自在
体は?
肉体、物体としての存在を消す
瞬く間に
ところで、
遠雷(えんらい)という
ことばの響きが好きだ
なんとも言えない
郷愁を感じさせるではないか
あらゆる感情を
呼び覚ますのだ
はるか遠い記憶と共に