企画展 幕末の儒学者たち の見どころ
明治維新は、儒学者たちが力を発揮した大改革でありました。
彼らの息吹が書幅から伝わってきます。
1 佐藤一斎と安積艮斎の二幅対
幕末、昌平黌の看板教授として並び立った師弟の対。
2 吉田松陰(艮斎の門人)の稿
江戸に送られて死刑になる前、萩で書かれたもの。
『東行前日記』五月十九日の記述の一部である。
同日記は、安政六年五月十四日江戸召喚の命が下ったことを聞き知ってから、同月二十五日に出発するに至る間の日々の漢詩
文・和歌を中心とする日記で、萩における決別遺言でもある。
成稿は、萩の松陰神社蔵『東下雑集』に綴じ込まれている。
3 大橋訥庵の書幅
尊王攘夷の中心人物、王政復古を最もはやく唱えた儒学者、磐城平藩主・老中安藤信正を暗殺しようとした坂下門外の変の理
論的指導者、訥庵の書幅8本。
4 会沢正志斎書幅
神社安藤家伝来の書幅。後期水戸学の中心人物。『新論』の著者。尊王攘夷の発端。
5 大須賀筠軒(艮斎の門人)5種
詩・書・画すべて秀逸。磐城平藩儒、郡長、放浪、尋常中学校(今の安積高校)教授、第二高等学校(今の東北大学)教授。
農耕図、春の田植え(緑川健氏蔵)と秋の稲刈り(安藤智重蔵)を並べて展示。
6 清河八郎(艮斎の門人)の書幅
尊王攘夷、浪士組をつくった人。革命家。
7 老中(宰相)安藤信正のブレインの書幅
磐城平藩儒、神林復所と室桜関の書。
8 尊王攘夷の漢詩人梁川星巌の書幅
世間では、定見をもたない連中が、人の言説に付和雷同している、と憤る漢詩。
9 楫取素彦の書幅
今の前橋高校の竣工を祝した漢詩。この人は、松陰の妹二人を先妻と後妻にしている。
10 常設展示の安積艮斎門人帳、艮斎『洋外紀略』写本、ペリー持参アメリカ大統領書翰(漢文)を和訳したものの写し。
艮斎や古賀謹一郎が訳した。
このほか著作(版本)なども展示。
書幅はみな現代語訳して図録に載せました。
7月31日まで、安積艮斎記念館、見学者は安積国造神社社務所にお声かけください。
午後5時に閉館します。
見学料500円、図録(コピーで作成)代こみです。