安積艮斎記念館企画展 幕末の儒学者たち 7月31日まで開催中。

 

昌平黌教授二人の二幅対を紹介します。

 

佐藤一斎(一七七二~一八五九)

安積艮斎(一七九一~一八六〇)

 

自敬則人敬之自侮則人侮之 

録薛文靖公語(薛文靖公の語を録す) 一斎藤坦

 

自ら敬へば、則ち人之を敬ふ。自ら侮れば、則ち人之を侮る。

 

自分から自分を敬って修養していれば、他人もその人を敬う。自分から自分を侮ってだらしないことをするから、他人もその人を侮辱するのである。

 

○薛文靖 薛元(せつげん)。元、下の人。河南永寧に籍す。字は敬之。追諡は文靖。官は転運使。官を辞し、義塾を興して子弟に教授す。

 

 

 

正己而不求於人則無怨

艮斎信

 

己を正しくして人に求めざれは、則ち怨み無し。

 

自分自身を正しくすることを(つと)めて、他人に対して物ごとをせめたてなければ、他人から怨みを買うことはない。

 

○『中庸』のことば。