あけましておめでとうございます。
昨年11月21日、『艮斎間話 全現代語訳』を明德出版社から刊行しました。
『名著』復活!!
儒学思想や和漢の人物歴史、見聞等を引いて、倫理道徳・治国経世の根源等を論じ、佐藤一斎の言志四録と並び、幕末・明治期に志ある人々に熱読された名著を現代訳し、更に倫理学的な見地から注釈を加え現代の読者の活読に資す書。
とオビに書いてあります。
この文は、出版社の社長様が書かれたのではないかと推察しております。
東洋思想専門の出版社は、明德出版社のほかにはありません。
儲からなくとも、出版すべきものは出版するという、気概のある出版社です。
2500円+消費税=2750円
こういった、研究書の、少部数の出版というのものは、値段はどうしても高くなります。
ご勘弁ください。
この本を作るにあたり、『艮斎間話』正続4冊を訳しただけでは物足りず、艮斎の知を現代人にも活用してもらうべく、倫理学者の小阪康治博士に、倫理学的な見地からの注釈を付けていただきました。
小阪先生が郡山女子大の教授をなさっていたときに、「抹殺知事」としても有名な元福島県知事佐藤栄佐久氏が、小阪先生と私を引き合わせてからのご縁です。
栄佐久氏曰く、「小阪先生は長州の人だから、吉田松陰先生の門人と言えましょう。松陰の師が安積艮斎先生なのだから、小阪先生は、艮斎先生の孫弟子なのです。艮斎先生のことも研究してもらわないとなりません」
そういうご縁から、小阪先生も艮斎に関心を持たれ、安積歴史塾という市民講座で、2度ご講義を頂戴しました。
そしてこのたび、注釈を加えていただいたわけです。
西洋思想の先生が、東洋思想の本に注釈を書くというのも、あまり無いことかなと思います。
学者の世界では、やらないことなのかもしれません。
しかし、艮斎先生は、学派の垣根をとりはらえと言っていますから、艮斎を信奉する私としても、今回のような冒険をしてみたくなったわけでございます。
松陰も読んだ『艮斎間話』、幕末のベストセラーを、現代の人々にも是非とも読んでいただきたい。
所詮、人間は、幕末も現代も本質的には大して変わっていません。
『艮斎間話』は、人生観を左右するほどの名著です。