展示書幅の中から、赤とんぼの詩を紹介します。

 

 赤蜻蜓   室桜関(むろおうかん)

 

尋路青雲何所因   路を青雲に尋ねて何所(いずく)にか因る

残陽影裏往来頻   残陽影裏 往来頻りなり

朱衣弄寵暫時事   朱衣 寵を弄ぶは暫時の事

不解秋霜已逼身   解せず 秋霜已に身に逼るを        

 

この画は展示していませんが、イメージ画像としてここに披露しました。

大叔父安藤重春の友人是永仲一の画です。

 

上平十一真の韻。

 

〇赤蜻蜓 赤とんぼ。明治3年(1870)の作。

○残陽 夕日。 

○寵を弄ぶ 寵愛される。

 

道を青雲に聞いて、どこに行くのだろうか。

夕日がさすところ、赤とんぼはしきりに行ったり来たり。

朱い衣を着て寵愛されるのは少しの間のこと。

秋霜がすでにわが身に迫っていることに気づかないのだ。

 

赤とんぼに託して、人生の寂寥を詠じています。

 

この詩は、室桜関『桜関詩鈔』巻上に収められています。