前回のビーターの長さ、前々回のバネの強さに続いて、今回は
3つめであるビーターの角度です。
他にも調整箇所があるペダルもありますが、基本的にはまず
この3か所を決めましょう。
ビーターの角度というのは、プレート(踏み板)に足を乗せない
状態で、打面に対するビーターのシャフト(軸)の角度のことです。
角度が大きければストロークの量が多くなり、小さければその逆
になります。
この角度はドラマーの好みによって様々ですが、ペダルを踏む時
のビーターを手前に引く動作で、体重を支えていた足を一瞬上げ
る時の幅に関係しています。
角度が小さすぎると、足を上げる幅に対してプレートのストローク
が足りないので、プレートから足が浮いてしまいペダルのコントロ
ールと体のバランスを崩してしまいます。
逆に角度が大き過ぎると、ヘッドまで踏み込んだときバネがたくさ
伸ばされているので戻ろうとする力が強く、バネに負けて踏みにくく
感じたり、打つパワーを損なってしまいます。
※バネは特性上、伸ばされる長さに比例して戻る力(反力)も強く
なります。(例えば1cm伸ばした時に比べて、2cm伸ばした時は
倍の力で戻ろうとします)
ビーターの角度のセッティングは、踏む時の足を上げる幅に合
わせてセッティングするのが良いでしょう。
目安は、足とプレートが離れたり体のバランスを崩さないことと、
余計な力を使わずに楽に大きな音が出せることです。
おすすめは、(写真2)くらいを基準にして角度の小さい方と大きい
方に振って、自分の足の上げ方に合わせてみてください。
キックペダルのセッティングをバネ、ビーターの長さ、そしてビータ
ーの角度の3か所に分けて説明しましたが、ペダルのセッティング
は複合的です。
例えば、同じバネのセッティングでも今回のビーターの角度を変え
ただけで、あたかもバネの強さを変えたように感じたり、ビーター
の長さも、それによって踏み心地が重く感じたり軽く感じたりする
ので、どこを変えたらフィーリングがどう変わるのかを一つずつ確か
めた上で、自分に合った踏みやすいと思うセッティングを見つけて
下さい。
当教室では、正しいキックペダルの踏み方や、生徒さんそれぞれ
に合ったペダルのセッティングもご指導いたします。