入手した際は、ポスター上部分にかなり目立つ「皺、折れ、破れ」がありました。
素人考えで・・・あて布してアイロンで延ばすか?と脳裏によぎりましたが
過去にその手法で見事に台無しになったポスターもあります。
自分にとっては大変思い入れの強い貴重な1枚なので、
今回はプロの職人さんのお力をお借りしました。
原本維持を第一に考えての「現状より良い見栄えにする」修復になるので、
物理的に破損してる部分の完全修復は不可能です。
デジタルな世界で考えれば、デジタルデータ上の画像修正とか可能なのでしょうが
相手にするのは「実際に触れる紙という媒体」
ポスターをコレクションする者にとっては、パソコン上でのみ閲覧できる
無傷なポスター画像より、傷入りでも手に取ってそれを実感できる事が大切です。
約33年前に、レコード店での宣伝貼付にのみ配布された告知ポスターの
現存率は恐ろしく低い筈です。
その中で良い状態で残ってる物はさらに厳しい確率になります。
自分はこのポスターを数年間探していました。
市場に数が出回ってる状態なら、
なるべく良いコンディションの物を選択できるのですが
大袈裟かもしれませんが、今後この1枚を最後に出回る事が無い・・・
という事もあります。
そういう考えを基にこの1枚を見れば、ピン跡無し、
大きな破れや欠損無し、退色無しという状態は
自分の中では「優」なコンディションでした。
新品には決して戻りませんが、現状の保存と若干の状態回復を目指し
表装具師さんの門を叩きました。