偉大な目標。 | 徒然に。

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思ったことを気ままに。

 今、ある年代の日本最高峰の舞台で大活躍している選手がいます。間違いなくプロになるでしょうし、将来の日本代表入りも狙えるくらいの選手だと思います。

 その選手は、私が尊敬するA監督が指導するチーム出身です。

 そのA監督のチーム、たまーに中央大会に出ることもありますが、基本的には市内の大会でやっている感じです。

 私は昔から勝手にA監督を師匠だと思っていて、しょっちゅう教えを聞きに行くからか、練習試合をしょっちゅうやってもらっています。

 思えば15年ほど前には、そのAチーム出身の子がU18日本代表の司令塔をやっていました。

 さらにもう一人、私が尊敬する市内のB監督のチーム出身の子と、U18日本代表でダブルボランチを組んでいたときはびっくりしました。そのB監督のチームからは、プロは3人くらい輩出していると思います。

 そのBチームもしょっちゅう練習試合をやらせてもらっています。そして「ちょっと今日人数揃わないから6人制でやってよ」とか「この代人数いないからさ、ちょっと上の代まぜていい?」とか言ってくる感じで、まったく強豪感はないです(笑)。

 私はこの2人の監督は、本当に尊敬していますし、いつか追いつきたいといつも思っています。

 ですが道のりはあまりにも険しいです。

 それでもこういう目標を持てたということだけでも、私は幸せだと思うのです。

 

 この2人の監督に共通していることは何でしょうか。

 まずは「独自のサッカー観がある」ということだと思います。

 なんというか「視野の確保をしよう」とかそういうのではないのです。

 もっとディープな感じがあります。

 私はこの尊敬する2人から学ぼうと思うので、試合会場で会ったときは、必ず話を聞きに行きます。

 すると時間が許す限り、このお二方は話し続けます。

 空き時間があれば、余裕で1時間以上は話します。

 そしてそれが深いのです。

 どの世界でも同じだと思います。

 どれだけコーチが深くサッカーを追求しているかは、子どもたちに伝わると思います。

 だからこそ、A監督のチームもB監督のチームも、チームとして中央大会にはほとんど出れないくらいでも、日本最高峰で活躍する選手が出るのだと思います。私はこれは偶然ではないと思います。

 そう考えると私もまだまだなのだと思います。

 関東大学リーグキャプテンと副キャプテンを輩出したくらいで満足していてはいけないのだと思いました。

 なにしろ身近に、A監督とB監督がいるのです。

 

 次に、矛盾するようですが、どこかこのお二方はサッカーに「飽きている」のです(笑)。

 特にA監督はあからさまに表現するのが笑えます。

 ある公式戦、A監督のチームがたまたま試合をしていて、うちが次の試合でした。

 A監督のチームの試合のハーフタイムかなにかですれ違ったので会釈しました。試合中なので邪魔しちゃいけないなと思ったのです。

 するとA監督、いきなり「おい○○(私の名前)、午前中から試合でよー、俺もうサッカー飽きたよ。帰りたいよ」と仰ったのでした。なんだそりゃ(笑)。

 後ろにはA監督のチームの保護者がずらっといます。

 当然、保護者間で笑いというか失笑というか、そんなのが起きました(笑)。ただ、もうA監督に慣れているのでしょう。ある保護者から「監督ー、そう言わずに最後まで付き合ってくださいよ」との声がかかります。

 それはそれでめちゃくちゃおもしろい保護者の発言です(笑)。

 「真面目」なチームだったら「コーチがそんなことを言うのはけしからん!」的になるでしょう。

 ですがそんな雰囲気は、A監督のチームにはあまりないようです(笑)。

 

 なにかこういうところに、人間の真実がある気がするのです。

 A監督もB監督も、人生を賭けてサッカーを追求しているのはすぐにわかります。

 誰でもこのお二方と話せばわかると思います。

 ですが同時に飽きているのです。

 だから、何か味わい深い何かが立ち上がってくる感じがあります。

 こういったサッカーにめちゃくちゃ造詣が深く、でもどこか「投げやり」というか、諦観があるコーチに育てられると、突き抜けた選手になるような気が、私はなんとなくしています。

 ですが形だけ真似してもだめでしょう。

 とことんサッカーを追求し、それで結果的に飽きたくらいになったとき、このお二方に近づけるのかなと勝手に思っています。

 なんにせよ、身近に尊敬できる人がいるというのは幸せなことだと思いました。