バルサに学ぶトラップ。 | 徒然に。

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 バルサの下部組織、カンテラは数々のスーパースターを生み出したことで知られています。

 メッシ、シャビ、イニエスタ、久保建英もカンテラ出身です。

 最近では、16歳でトップチームデビューし、今ではスペイン代表の主力になりつつあるヤマル、17歳ですでにバルサの最終ラインのリーダーになったクバルシなどがいます。けっこうサッカー界の複数の評論家が、クバルシは世界一のディフェンダーになると言ったりしています。

 

 

 ここまで素晴らしい選手を輩出するのは、何か理由があるはずです。

 

 私は「トラップ」に注目しています。

 というのは、バルサに関わりがある人は、トラップを強調する印象があるからです。

 たとえば、神戸で活躍した、カンテラ出身のセルジサンペールの↓の動画があります。

 

 

 視野の確保をしてトラップすることを、強調しています。

 具体的には、グラウンドを広く見れるようにして、右からボールが来たら左足(遠い方の足)のインサイドで止めるということです。

 

 そして、バルサの象徴的存在、グアルディオラも視野の確保を強調しています。

 

 

 

 ボランチからのパスということでは史上最高かもしれない元バルサのブスケッツも全く同じことを言っています。

 

 

 ちなみに、また最近「利き足論争」があります。

 私はむしろドリブルに関しては「利き足派」なのですが(過去のブログでも書いています。ただ、ボールマスタリーも重視して練習します)トラップに関しては「両足派」です。

 私はある意味「現実主義者」です。

 史上最高を争うマラドーナとメッシが、ほとんど左足しか使わないでドリブルしているので、ドリブルは利き足でやるのがいいと思っています。

 ただトラップに関しては、マラドーナはそこまでトラップを見ていないのですが、メッシに関しては「視野の確保」ということで、普通に左から来たボールは右足で止めることが多いです。しかもバルサカンテラ育ちのシャビやイニエスタ、ブスケッツは、より視野の確保を重視した止め方をします。

 そしてバルサは世界一の育成機関の可能性があり、そのバルサが最も重視しているのがおそらく「視野の確保」なのだと思います。

 ということで、現時点ではバルサの止め方が世界最高だろうと思っています。

 

 ↓はチャンピオンズリーグ決勝のバルサ対マンUの試合です。

 

 

 私はこの頃のバルサが、ナショナルチームも含めて史上最強だと思っています。

 映像を見ていると、現代のどんな素晴らしいチームにもないような「機微」みたいなものがある気がします。

 特に、メッシ、イニエスタ、シャビ、ブスケッツは凄まじいと思います。

 常に顔が上がっていて、選択肢を複数持ちながら、1秒状況が変わればまた目まぐるしく選択肢を変えていく感じがあります。

 このレベルの選手が4人もチームにいたら、誰もボールを取れないと思います。

 そういったタイプでは、現代のギュンドアンやベルナウドシルバなども凄い選手だと思いますが、なにかバルサの4人に比べるとちょっと落ちる気がしてしまいます。それくらいバルサのこの4人は凄かったと思います。

 

 そして本当に視野の確保に忠実にボールを止めています。

 まさにバルサ育ちという感じの止め方だと思います。

 

 カンテラからは、ポゼッション練習ばかりなのにいい選手が出てくるのは、視野の確保を徹底することによって「情報」を圧倒的にインプットできているからではないか、と私は推測しています。

 よく練習で「顔を上げろ!」と指導します。私も指導します。

 ですが、たとえば視野の確保をしないで後ろ向きのまま顔を上げても、わかる状況は後ろだけです。

 それでは意味がありません。

 ということは、もしかしたら顔を上げることよりもまず、視野の確保をすることが大事なのかなと思ったりします。

 常に身体を半身にしてグラウンド全体を見れるようにしておけば、そういった身体の向きを作れていない選手に比べれば、毎回の試合や練習で得られる情報量に雲泥の差が出てきます。

 たとえばうちのチームは勝てない方だし運動が苦手な子も多いので、まずはトラップから、ということが多いです。

 ただそれでも、さすがに小5くらいからは、私は視野の確保トラップはけっこうやるようにしています。

 以前に「低学年はドリブル重視、高学年はパス重視、でも強要はしない」的なことを書かせていただきました。

 その「強要はしない」の部分ですが、結局、視野の確保をできていればそれでいいのです。

 なぜならいい身体の向きを作れば、情報は入ってくるからです。

 その情報をもとに、ドリブルが得意な子はドリブルをすればいいし、パスが得意な子はパスをすればいいのだと思います。

 ただ、高学年になると、相手を引き付けてパスを出す快感みたいなものもわかってくるので、パスを重視しているという感じです。

 ですがいい身体の向きを作れないで、やれドリブルだやれパスだといっても、それは闇雲にプレーすることになってしまいます。

 一か八かです。

 ですがいい身体の向きを作ってドリブルなりパスをすれば、失敗しても本人は反省できるのです。

 「相手が○○に立っているときに△△にパスをしても通らないのだな」的な経験が圧倒的にたまっていくのです。

 

 そして私はバルサカンテラの選手は、そういったプレーメモリが圧倒的に多く質が高いから、次々にいい選手が出てくると思っています。