グアルディオラのすべてが詰まったパス練習。 | 徒然に。

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 現在マンチェスターC監督グアルディオラは、世界一の監督だと思います。

 FCバルセロナ、バイエルン、マンチェスターCと監督をやってきましたが、どのチームの監督時代でも、必ずやる練習というのがあるそうです。

 それが↓の7対4のポゼッションです。

 

 

 4対4で3フリーマンのボール回しです。

 そしてそのコンセプトがおもしろいのです。

 

1.Attract the pressure to create space.(スペースを作るためにプレッシャー(相手)を引き付ける)

 

  普通日本の指導現場では「空いているところにボールを運ぼう!」というのが一般的だと思います。

 ですがグアルディオラは、空いているところを作るために、わざと相手を自分に引き付けようということで指導しています。

 相手を引き付ければ、その分スペースが空くのです。そしてポゼッション練習をするときに、この考え方を入れると、本質的にボールの回し方が変わってきます。味方を見るよりも、先に相手を見るようになるのです。

 これは風間八宏理論につながると思います。

 

2.Maintain the possession to create space centrally.(中央のスペースを作るために(外側の選手は)ポゼッションを維持する) 

 

 中央レーンを突破するためには、サイドでボールを回して中央が空くようにします。

 これも1の場合と同じく、自発的にスペースを「作る」ということだと思います。

 中央を狙いたかったら、外側で回すのです。

 練習中からそういう声掛けをしていけば、風間さん流に言えば選手の目線が揃うようになってきます。

 外でボールを回すのは中央を狙うのだという共通認識をもっていれば、当然それはレベルが高いことだと思います。

 

3.Up,back and through.(当てて戻してロング)

 

 1と同じような考えだと思いますが、細かい地域で当てて戻して、をやります。そうすると相手は密集してくるからロングパスで打開します。遠いところにスペースを作るために、狙いを持ってわざと密集させるということだと思います。

 

4.Third man concept.(3人目の動き)

 

 これは日本でもよく言われるので割愛します。

 

5.Attract the opposition to your zone to free deeper players.(より奥の味方をフリーにするために、自分に相手を引き付ける)

 

 私は、グアルディオラの最重要コンセプトが「相手を引き付ける」だと思っています。

 そしてオシム監督も同じでした。

 このコンセプトでやると、グアルディオラやオシムのサッカーのような、変幻自在のサッカーになると私は思っています。

 

6.Defensive-close passing lines.(間の門を閉める)

 

 これも日本でもよく言われるので割愛します。

 

7.Mentality change.(攻守の切り替えの意識)

 

 このグアルディオラ流の「7対3」では、実質「4対4+3フリーマン」です。

 「4対4」の選手は、攻守が目まぐるしく入れ替わることになります。

 そして「攻撃は広く、守備は狭く」という、よく言われるサッカーの原則を自然に身につけられると思います。

 ボールを奪われた外側に立っていた選手は、即時奪還を目指して一気にコートの内側になだれ込みます。

 逆にコートの内側で守備をしていた選手は、ボールを取った瞬間、外に開きます。

 

 このトレーニングは、本当に考え抜かれていると思っていて、素晴らしいと思います。

 その中でやはりコンセプトが大事だと思います。

 日本的な感じだと、すぐに「空いているところに出そう!」になりますが、グアルディオラのコンセプトは違います。

 意識して空いているところを作るために、わざとボールを狭い地域で持つのです。

 そして実践していただければわかると思うのですが、狭い地域で細かい技術を駆使して相手を外す技術が要求されます。

 そしてそういう技術をつけたいから、私はドリブルを最初は重視している面もあります。