理系はおもしろい! | 徒然に。

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思ったことを気ままに。

 私は日本では大学の文系学部を卒業しました。

 その後、思うところがあり、北京大学医学部に入り直したわけですが、その過程で、数学、物理、化学を独学で勉強し直しました。

 高校時代は文系選択でしたので、理系科目は基礎すらありませんでした。

 たとえば化学だったら、それこそ「水兵リーベぼくの船、、、」という元素記号暗記の基礎中の基礎の語呂合わせからスタートしました。

 そんななか、私にとって幸運だったのは、各科目ごとに、その教科を考える上で本質となる教えを説いてくれている参考書に出会えたことです。

 化学の岡野先生、物理の橋元先生、数学の細野先生の参考書、問題集です。

 この先生方を今でも大尊敬しています。

 医学部への道を開いてくれたということ以前に、理系の楽しさを教えてくれたのだと思っています。

 

 理系といっても結局は「文系的な理解」なのだということを学びました。

 特に内容が高度になればなるほど、文系的な力が必要になります。

 それをどう見るか、その観点が大事になってくるのです。

 そういった意味で、理系の根本的な基礎は「国語力」だと思います。

 ちょっと話が脱線しますが、最近はお子さんがいる保護者の方に私のブログはよく読まれているということで、国語力がつくと私が考えている方法を書いてみたいと思います。

 国語力がつけば、他の科目の成績も間違いなく上がります。

 

 まずは「読書」です。

 それも、一流と言われている作家の本を読むことだと思います。

 一流の文章は、多少難解でも小学生にもわかると思っています。なにか訴えかけているものがあるのです。ということは、その作家はその人の心に届く文章力を持っているのだと思います。

 たとえば太宰治や芥川龍之介、中島敦や宮沢賢治(宮沢賢治は童話を書いていますが)は、小学生でもわかるのだと思います。

 そしてそういった一流の文章に触れるきっかけになるのが、齋藤孝先生の↓教科書です。

 

 

 おもしろいと思った方は、↑を購入し、御自身も一緒になってお子さんと名文を楽しめばいいのではないでしょうか。

 そのなかでお子さんが「この文章おもしろい!」となったら、その作家の本を購入して、読ませればいいと思います。

 

 こういった読書の基礎の上に、国語学習としては出口旺先生の問題集は素晴らしいと思います。

 小5くらいならば、中学生向きの出口先生の問題集をどんどんやらせると力がつくと私は思います。中学生向き問題集が終わったら、高校生向けの問題集をやらせます。国語には、学年ごとの区分けはあってないようなものです。読める子は、どんどん難しい文章を読んだほうがいいのです。

 出口先生のいいところは、国語を論理で捉えているところです。

 たとえば国語が苦手な子の特徴として、問題となっている傍線部だけを読んで解こうとするのです。

 ですが言葉というのは、前後の関係から規定されるのです。

 なので傍線部の前後3行くらいを読んで、傍線部の問題の意味をはっきりさせて解けば、簡単に解けるのです。

 もしお子さんが国語が苦手でしたら「傍線部の前後3行読みなさい」というのは試してみていだければと思います。

 そして出口先生は、こういったテクニックを無数に教えてくれる先生です。

 

 話を戻します。

 理系の話でした。

 私は、とにかく上記した先生の参考書、問題集を徹底的に何周もやりました。

 このレベルの問題集を解けても、センターでもせいぜい6割取れるかどうかでしょう。

 ですが考え方が大事だと思いました。

 徹底的に上記先生の参考書、問題集をやったあとに、医学部での物理化学数学に臨みました。

 結果は理系科目で成績優秀者を取れて、奨学金〇〇万円を勝ち取れました。

 どこまでいっても、本質的な考え方が重要なのだと思います。

 そして本質をわかると本当におもしろくなるのです。

 ですから私は今でも物理、化学、数学は大好きです。今は『物理学と神』という本を読んでいます。めちゃくちゃおもしろいのです。

 

 そこで理系のススメです。

 半分くらいの人が、中学数学や理科でつまづき、理系が嫌いになってしまうように思います。

 さらに高校に入って、ほとんどの人が理系が何をやっているのか分からずに脱落してしまいます。

 ですが私はそれはもったいないと思うのです。

 中学高校ではテストがあり点数がつけられるので、そこで悪い点数を取ると嫌になるのは確かだと思います。

 ですが、テストという枠を外したとき、理系ほどおもしろいものはないのです。

 そして、理系的なことを理解するのには、実は大事なのは文系的なもの、国語的なものなのです。

 たとえば有名なアインシュタインの相対性理論。

 彼は「速く動けば時間は遅くなり、物体は縮む」と言っています。

 めちゃくちゃおもしろいと思いませんか?

 そしてしっかりと数式で証明できるのです。知識としては、三平方の定理や平方根などの、中学3年の範囲しかいりません。

 そのレベルの数学で、人によって時間も長さも違う、ということを証明できてしまうのです。

 

 私はぜひ、大人の読者の方で理系嫌いの方は、上記したような問題集を購入いただいて、もう一度趣味として理系をやっていただきたいと勝手に思います。

 毎日1ページとかでもいいと思います。そのうちめちゃくちゃ楽しくなってくると思います。

 さらにお子さんが進路で文系か理系かで悩んだとき、理系に興味があればぜひ理系を勧めてほしいなと勝手に思っています。

 理系大学生は地味でモテないという風潮があります。

 ですがその地味でモテないはずの理系大学生は、なにか満ち足りているように見えないでしょうか。

 実際にそうなのです。

 世間で言われる地味とかモテないとかより、圧倒的におもしろい世界がそこにはあるのです。

 私は、そういう世界を少しでも多くの方に味わってほしいのです。