腸腰筋と二軸動作。 | 徒然に。

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 二軸動作は、以前からよく語られている考えだと思います。

 

 たとえば元興国高校監督の内野さんは↓動画後半で、二軸動作が指導ポイントだと語っています。興国高校は、10年くらいでプロを50人以上輩出しています。

 

 

 さらに、動作研究に関する東大教授の対談でも、二軸動作の必要性が語られています。

 

 

 ↑対談のなかで、二軸動作のキーポイントは腸腰筋だと語っています。

 腸腰筋については、このブログでもたびたび触れてきました。

 私の考えでは、超一流のための最重要筋肉だと思います。

 

整体と筋肉】腸腰筋大解剖 さん

 

 見ていただければわかるように、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉が腸腰筋です。

 身体の中心中の中心の筋肉と言えると思います。

 それではその働きはどのようなものでしょうか。

 筋肉とは、縮むことで仕事をします。

 ↑画像を見て想像いただきたいのですが、腸腰筋が縮むことで、上半身は前屈しますし、下半身は上に持ち上がります。

 

 では、腸腰筋と二軸動作はどういった関係にあるのでしょうか。

 当たり前の話ですが、腸腰筋は左右に二対あります。

 ということは、左右それぞれ腸腰筋がしっかり働けば、それぞれ左右でまるで独立したような動きができるようになります。

 言い換えれば、左右でまったく違う動きができるということです。

 そういった意味で二軸動作と言っているのだと私は理解しています。

 

 では、腸腰筋を働かせるためにはどのようなトレーニングがあるのでしょうか。

 私が思う3つの練習を書いてみたいと思います。

 

 1つ目が↓マラドーナの最初のステップです。

 

 

 左足(右足)を前に出して上げながら、左手(左足)で地面を触っています。

 これは左側(右側)の腸腰筋の働き、すなわち左側(右側)上半身が前屈し、左足(右足)が上がるという腸腰筋そのものの動きをしています。

 

 2つ目が↓39秒付近からのロビーニョのような、静止したボールの連続シザースです。

 

 

 ポイントは2つあると思います。

 まず、左足(右足)を上げる前に、左肩(右肩)を後ろに回すようにして上げます。そのことによって、左側(右側)腸腰筋が伸び、伸張反射(伸びた筋肉が縮もうとする働き)によって左足(右足)が上がります。つまり、足を上げるという意識ではなくて、肩を上げたら自然と足が上がったというイメージで、シザースを始めます。

 次にシザースを終えて左足(右足)を着地したときに、左肩(右肩)を下げます。

 これはマラドーナのトレーニングと同じ原理です。

 ロビーニョのシザースはこのようになっているのがおわかりいただけると思います。

 

 3つ目がエラシコです。

 ↓ロナウジーニョを見ていただけばわかるように、右足着地と同時に右肩が下がっています。腸腰筋を使えている証拠だと思います。

 

 

 練習としては、歩きながら左右エラシコを肩を落としながらやるといいのではないかと思います。

 

 以上、腸腰筋と二軸動作について私が思うところを書かせていただきました。

 そして私は、これらのことは論争的になった「利き足か両足か」にも関係してくると思っています。

 ただしこれから書くことは「意識」や「宗教や哲学」といった「目に見えないし証明できないこと」が絡んでくるので、完全に私の独断ということを断っておきたいと思います。

 

 私は二軸ももちろん大事だと思いますが、高岡英夫先生が提唱された「三軸」を支持しています。

 つまり、腸腰筋を軸とした二軸よりもまず、体のど真ん中を通るセンター意識が大切だということです。

 人間の身体には、ものすごい重力加速度がかかっています。

 ではなぜ人間が立っていられるかというと、自分の重心を重力加速度と一致させているからです。

筋肉はその微調整に過ぎません。

 そういった意味で、まずセンターを作り、その後に左右の二軸を作るべきだと私は考えています。

 高岡英夫先生は↓のような図を提唱されています。

 

運動科学」の第一人者が解く、日本代表選手の身体意識――日本サッカー界に大きな希望あり | ジュニアサッカーを応援しよう! 

 

 これはあくまで「意識」の話ですが、実は実際にサッカーの練習をする以上に大事かもしれないと私は思っています。

 自分の身体が「一つの塊」としかイメージできなければ、そういった動きしかできません。

 ですが例えば↑のような身体意識があれば、中心軸がしっかりとあり、左右の身体が別々に動くということがイメージできるし、イメージできることは基本的に実現するのです。

 スポーツ経験がある方は、わかっていただける話だと思います。

 そうなってくると、勝負は「いかに良い身体意識を持てるかどうか」になってくるのかもしれません。

 そして高岡先生は(一部ではオカルトとの批判もあれども)そういった身体意識を徹底的に細かく突き詰めた第一人者だと私は思っています。

 

 センター(中心軸)が大事なのは、古代哲学から伝わる「チャクラ」の考えからもわかると思います。

 ↓はチベット仏画です。

 

7チャクラの図(大):タンカサイズ39cm×81cm タンカ 曼荼羅 仏画(額縁なし)

 

 この図と、高岡先生の図を見比べていただきたいと思います。

 中心に軸があって、左右にも二軸があります。

 古代には神は実在したので(人の脳内で、あると思えばあります。幻聴が聞こえる人は、ほとんどの人が聞こえないにしてもその人に聞こえるのならば、その人にとっては現実です)、このチベット図のように、神に仮称されてセンター軸や二軸が表されたのだと私は思います。

 近代に入ると人にとって神は現実ではなくなり、科学が現実になりました。

 そういう時代なので、センター軸や二軸は、高岡先生が書くような感じになります。

 そしてどちらにしろ表現しているのは「身体意識」であり、センター軸と二軸が大事だと言っているのだと私は思っています。

 高岡先生の図もチベット仏教の図も、どちらも正解なのだと私は思います。

 なぜなら神も科学も究極的には同じようなものだと私は思っているからです。

 科学で説明できないことはたくさんありますが、現代人は科学を絶対に正しいと「信じて」いるのです。科学が絶対に正しいと証明できないにもかかわらずです。

 いつかそのことも詳しく書いてみたいと思います。

 

 なんだか難しいというかオカルト的な話になりました。

 話を戻しますと、利き足を徹底的にやるということは、私はその使う足側の側軸はかなり発展すると思いますが、最重要のセンター軸が発展するのかがわからないのです。

 ただ、サッカーという競技の特性上、利き足でいつでもボールを蹴れるように、というのは、かなりの程度、実用性があるようにも思っています。

 逆に左右両足を均等に使ったからセンター軸が発展するかはわからないと思います。

 発展するかもしれないし発展しないかもしれません。

 私が答えを知っているかというと分からず、ただうだうだと書いているだけな気もしています。

 そう思うと、サッカーについてマニアックに書いていますが、まったく自分のオリジナリティがないし、特に信念とか美学もないことに気が付きました(笑)。

 いつもブログでコメントし合っているお二方がいまして、このお二方は正反対の意見なのですが、二人とも教養人なのでお互いを罵りあったりすることがないのが素敵だと私はいつも思っています。

 そう思うと、私の立場は「オカルト派」「解剖学物理学重視派」「尊敬する人の言ったことをそのままパクる派」になるかもしれません。

 それはそれで、なかなかいない立場だと思うので、基本は自己満足ブログですが、これからもこの立場で書いていきたいなと思います。