私の愛読するブログで、「ポジション」について書かれていました。
私はこの方のブログがけっこう心底好きです。
サッカー未経験といいながら、コーチとしてめちゃくちゃいい練習をしていて、参考にしています。
なにか「真理」みたいなものを見ている方だなと思います。
しかも何か「温かみ」を感じるのです。
明日はクリスマス。暇な方は、ぜひ私の長文を読みながら「メリークリスマス!」と祝ってください。生涯最悪のクリスマスでしょう(笑)。
話を戻します。
①チームで一番技術がありボールを持てる選手をどのポジションに配置するか?(3-3-1、2-4-1の場合)
②フォーメーションに選手を当てはめるか、選手の特性に応じてフォーメーションを選択するか?
サッカー人としては、どれが正解かというよりも、こういったことで話せることが楽しいですよね。
サッカー愛好者で酒を飲んだら、こんな話題なら一晩中でも語れそうです(笑)。
私は活字中毒で、長文が書きたくてしょうがないのですが、人様のコメント欄に長文で書くのは失礼ということで、自身のブログで書いてみたいと思いました。
あくまで私の考えであり、どなた様の考えの下とか上ではないということは書いておきたいと思います。
上記ブログで①について、これまた私が愛読しているブログ主の方がコメントしていましたが、私はその方が書いている考えに近く、チームで一番うまい子は「フリーマン」的に置いています。
具体的には「センターバックハーフ」が多いです。
配置論ならば「3−3」とかで、ディフェンスと中盤で1番うまい子が行き来するので「4−3もしくは3−4」になります。
ただ、うちは比較的運動が苦手な子が多いチームなので、必然的に中心選手が一生懸命やらないと「試合にならない」という面もあります。
ただ、それも毎度登場のM監督に、あることを教えてもらって「逆に強みになる」と思っています。
M監督は「(上手い子には)おまえがチームを勝たせるんだ、と言って責任をもたせる」と話してくれました。
俺がチームを勝たせる、というメンタルを持てば、ポジションの枠をはみ出してでもやろうとするでしょう。
実際にうちのチームから関東大学リーグキャプテンと副キャプテンになった子たちは、私が「センターバックハーフ」というポジションを与えたら、それ以上にやっていました。
非常にメンタルが良く「俺がチームを勝たせるんだ」と思っている子たちでした。
味方のミスに、彼らが文句を言っているのを見たことがありません。
味方がミスをしたら文句を言う前に、自分が取り返してやるということで、瞬時に身体が動いていました。
このようなメンタルを持った子は伸びると私は思っています。
さらに私は、少年サッカーでも「可変型システム」ができると思っています。
イタリアではすでに「攻撃時ポジションと守備時ポジションの同時表記」になっているようです。
うちのチームは比較的運動が苦手な子が多いので、どの代でもやるのは難しいですが、比較的上手な子が揃った代では、私は可変式システムでやっています。
毎回同じというわけではないですが、基本的には次のようなことです。
一応表記上は「4−3」です。
・サイドバックは守備時はサイドバック、攻撃時は中盤真ん中。ただし守備時に相手がサイドに来ないなら、真ん中にいればいい。
・センターバック2人は、最前線の相手の人数に合わせる。つまりセンターフォワードが1人いるならセンターバック2人のうち1人は中盤に出ていく。攻撃時は必ず一人は中盤にでていく。キーパーは「最後のセンターバック」のイメージで、前に出る。
・サイドハーフは、守備時は真ん中に寄せる。攻撃時は幅を取る。
・センターハーフは、守備時はボランチ。攻撃時はセンターフォワード。
つまり基本的には「攻撃時には1−1−3−3、守備時は1−4−3または1−3−4」になります。
ただ、便宜上システムを書けばそうなる、ということで、私はあまり配置は見ていません。
チームとしてある程度機能するまで言うのは、
・とにかく中盤真ん中に人を集めろ。
・守備時は相手とボールを同時に見れるポジションから、予測して一気にボールを刈り取りに出ていけ。
・逆サイドは捨てて、サイドの選手は逆サイドにボールがあるときは、センターラインにポジションを取れ。
ということです。
結局最後は自分の判断なのだと思います。
ポジション論は、その判断の前提部分で、有利な状態を作るものだと思います。
こうやって指導すると、例えばディフェンスラインの選手たちが、自発的にコミュニケーションを取るようになってきます。「今枚数足りてないぞ!」「ディフェンス人数多すぎる!一人前に出ろ!」とかです。
そして選手が自分たちで判断してやるようになれば、それが最高だと思うのです。
具体的なプレーを約束事にするのではなくて、プレー原則を約束事にすると、選手の知性が伸びてくると私は思っています。
まとめます。
「こいつは将来モノになるぞ」と思った子がチームにいるときは、その子にはすべてをやらせます。
ただ、まだそこまでできるレベルではなくて、それでも比較的上手い子が揃ったら、私は「可変式システム」は全然小学生でできると思っています。実際にうちのような平均的なチームでも、それなりにメンバーが揃ったときはできるのです。
というよりも、可変式システムでサッカーをやるとおもしろいのです。
何よりも子どもが面白がります。
サイドバックは、やっぱりおもしろくないポジションだと思われているでしょう。
ですがサイドバックの子に「攻撃時はボランチだぞ!」と言えば、本当に楽しそうにサイドバックをやるようになります。
サイドバックは結局、守備時に必死に守ったあと、ただそこにいるだけの存在で、おもしろくないのだと思います。
センターバックも同じでしょう。
現代のセンターバックは、たしかに司令塔の働きもあるでしょう。ボランチすらプレッシャーがきつい時代です。
ですが、センターバックの位置からゲームメイクして、そこからさらに縦に出ていって、ドリブル突破したら、さらにサッカーのおもしろさ倍増でしょう。
バルサ黄金時代を築き、今マンチェスターCで黄金時代を築いているグアルディオラは、サッカーのおもしろさの次元を上げたコーチだと思っています。
グアルディオラに引き続き、アーセナルのアルテタや、ブライトンのデゼルビが出てきました。
そして、そのサッカーは決して超一流にしか実践できないような、特殊なものではないのだと思います。
たとえばグアルディオラが発明したのは「偽サイドバック」ですが、実はそちらこそ人間の本性でしょう。
妻の前での自分、子どもの前での自分、友人の前での自分、上司の前での自分、部下の前での自分、、、、、。
そのすべてが違うように、サッカーで「守備時の自分」と「攻撃時の自分」が違うのが普通なのではないかと私は思います。
さらに書けば、サッカーの本質は4つの局面に収斂されます。
・ポジティブトランジション
・ボールポゼッション
・ネガティブトランジション
・後退守備
システム論は「ボールポゼッション」と「後退守備」の局面だけだし、そしてそれぞれポジションが違います。
さらにトランジションの場面では、全く違った原理があります。
たとえばグアルディオラは、バルセロナ時代、なぜショートパスをつなぐかと問われ「ショートパスをつなぐことによって、カウンター対策のポジションを整えている」と語りました。
ショートパスで人を密集させることによって、ボールを取られたあとの即時奪還の準備をしているのです。
さらに5秒間、ボールを取られたあとにプレッシングして取れなかったから、後退守備をしてポジションにつくということをやっていました。
このように、なかなかシステムだけでは語れない時代になってきました。
だからこそ、おもしろいのだと思います。