昔から、サッカーのために「サッカー以外」の分野を研究することが多い。
特に古武術系や武道は熱心に研究している。
たとえばサッカーの切り返し。
最近のドリブル塾ブームで、ボールテクニックに特化したような切り返しがフォーカスされるようになった。
もちろん「その切り返しを徹底することによって本質的な身体操作が向上する」という側面もあると思うので、否定はできない。
だが例えばシザースだとすれば、その選手がやりやすいシザースのやり方で反復練習を積むことになる。ということは、もしその選手のシザースの動きが理にかなっていなかったら、その選手のシザース練習は有益どころか悪影響にもなりかねない。
シザースでいえば、↓のブログの方の理論が理にかなっていると私は思っている。
個人的にこの方の理論や教えは、J下部組織での教えや理論も含めて、私が知る限りでは最も優秀だと思っているので、大いに参考にさせていただいている。
ちょっと話はずれるけどもJ下部組織のコーチはほとんどがプロ経験者だろう。だが私は指導者には「選手時代の実績」は関係ないと思う。
語弊があるかもしれないが、選手時代に凄かったコーチよりも、学生時代に偏差値が高かったコーチの方がいい可能性があると思っている。
↓ブログを書かれている方は慶應出身。
地頭の良さは学歴だけでは測れないけども、今の時代では「賢さ」はコーチをやる上では必須だろう。それはしっかりと↓ブログで理論的に説明していることからもわかる。
理論的裏付けがない指導は、今の時代ではもう通用しないと思っている。
シザースは「上半身を連動させて」やるものだ。
イメージとしては肩甲骨の上下動が先にきて、それにつられて足が動く。
そういったイメージなしでいくらボールをまたいでも、間違った身体動作が身につくことになってしまう。
それでは怪我しやすくなる上に、やればやるほど動作が遅くなってしまう。
だから「正しい理論」は絶対的に必要だと私は思っている。
それで八卦掌の点歩だ。
↓動画。
ポイントは「まず進みたい方向の反対側の足を上げ、おろすと同時に進みたい方向の足を前に出す」だ。
そしてこれは反発ステップと同じ原理だ。
このように、世界最高レベルの反発ステップをやる三笘、ネイマール、メッシは、八卦掌の点歩の足さばきを使っている。
もちろんボール扱いを徹底的に練習するのもいい。
だがその徹底する過程で、無意味な身体動作が身についてしまう可能性もあるのだ。
そういったとき、古武術や世界各国の武術を学ぶことは有意義だと思っている。
具体的な足さばきの方法まで徹底して訓練しているからだ。
だから三笘やネイマール、メッシのような反発ステップをやりたければ、八卦掌の点歩の練習をした方がいい可能性がある。
こういった意味で、伝統的な武術の世界は、サッカー界にとって「宝の山」だと思っている。
そして次世代のサッカー界は、そこまで突き詰めてやらないと、勝ち抜けないようになっていくと思っている。