アウトサイドで抜くための「膝抜き」。 | 徒然に。

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思ったことを気ままに。

 現代サッカーのウイングでは「逆足のウイング」が流行っている。

 左利きウインガーなら、右サイドに配置される。

 理由はカットインしてそのままシュートを打てるからだ。

 ということは、利き足のアウトサイドで抜く技術が重要になってくる。そうでなくとも、利き足でプレーする選手がほとんどなので、アウトで切り返して利き足でパス、というのは絶対に身につけなければいけない技術だと思う。

 そこで私としては、マラドーナやメッシのアウトサイド切り返しを研究して、2パターンの切り返しで彼らは抜いていると考えた。

 今日はそのうちの一つ「膝抜きを使った切り返し」を書いてみたい。

 

 ↓動画の30秒を題材にして考えたい。

 

 

 ここでメッシが使っているのが「膝抜き」だ。

 「膝抜き」とは、古武術に伝わる身体操作だ。

 

 

 簡単に書けば「足は地面を離れているのに、頭の位置は変わっていない、むしろ頭の位置が下がっている」ということだ。

 メッシの抜き方を見ていただきたいが、軸足の右足はまるでスキップするかのように、連続でステップを踏んでいる。

 普通は右左右左だけども、このときのメッシは「右右左」になっている。連続して右足でステップを踏んでいる。

 なぜこういうことが起こるかというと、腸腰筋を使っているからだ。

 腸腰筋は「超一流の筋肉」と言われる筋肉だ。

 腸腰筋はどこでしょう? | 大生水野クリニック 

 

 腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐ、いわば「身体の中心となる筋肉」だ。

 では腸腰筋が収縮すると、どういう運動になるだろうか。

 もし上半身が曲がらなければ、太ももが上がる。

 もし下半身が曲がらなれば、上半身が前屈する。

 上半身下半身ともに働けば「背筋が丸まって、身体は弓のように」なる。

 ↓チーターみたいになる。

 

チーターの狩りをご紹介。狩りに特化した進化を遂げた陸上最高のハンター

 

 では、具体的にこの「膝抜き」を、実際のメッシのアウトサイド切り返しのようにやるにはどうすればいいか。

 私が考える方法論を書きたい。

 

 まずは「ボール落下キャッチ」。↓みたいなものだ。

 

 

 この子は、落下するボールをキャッチするときに、両足が浮いている。

 つまり身体は沈み込んでいるけども両足が浮く。

 これこそが「膝抜き」だ。

 そしてもう一度メッシの動画を見ていただきたい。

 切り返す軸足の右足は浮いているけど、身体の重心は下がっている。

 メッシが「膝抜き」を使っていることがわかる。

 

 私はこの「ボール落下膝抜きキャッチ」は、特に低学年の練習で取り入れたらいいと思う。楽しみながらできる。

 さらに高学年になっても、自主練のメニューの一つに入れてもおもしろいと思う。

 

 次に「サンバのリズム」。

 

 

 ↑1分52秒は、まさに「膝抜き」そのものだと思う。

 スキップというよりも、片足で連続して地面を踏むときに、上半身が崩れるイメージだ。

 練習方法は、まずは片足で連続して地面を踏むときに上半身を崩して猫背になる練習をドリル化してやる。コツは、連続して地面を踏む足の2歩目を外側に置くことだ。そうすることによって、勝手に身体はアウトサイド切り返しの方に飛び出す感じになる。

 もちろん連続して地面を踏むときには上半身はむしろ下に下がらなければならない。

 

 最後に仕上げ。

「マシューズフェイント」だ。

 このフェイントが最も「膝抜き」にはいいだろうと思う。

 

 

 よくボールだけ動かして、全然上半身が動いていないフェイントをやる子がいる。

 これはNGだ。

 ↑エムバペや、メッシを見ても上半身が下がって肩も下がっている。

 「膝抜き」ができたあとの第二段階として、上半身の連動は非常に大事だ。

 マシューズフェイントをやる際には「背中を丸めて」とか「軸足側に肩を落として」というアドバイスが有効だと思う。