旭合同ブログ
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なぜ、立場が上がるほど「話す側」に回りやすいのか

仕事をしていると、さまざまな立場の方と面談する機会があります。

その中で私が以前から感じていたのは、こちらの話を
じっくり聞くというよりも、自分の考えや自社の説明を
する時間のほうが長くなりやすい人が少なくない、
ということです。それは組織の中でポジションが高い人ほど
その傾向があると感じています。

もちろん、これはあくまで私個人の実感です。
ただ、その感覚が自分だけのものなのか少し気になり、
友人の経営者に聞いてみたり、生成AIも使って調べてみたりしました。

すると、多少の差はあっても、
「そう感じることはある」という声がそれなりにあり、
どうやら私の感覚も当たらずとも遠からずのようでした。

本来、企業の経営者や財務責任者との面談は、
相手先の状況や課題、資金需要、今後の方向性を把握し、
それを今後の提案や営業方針に活かしていくための
大切な機会の一つです。

ところが実際には、上層部から示された組織としての方針や
その人が求められる成果や結果など、限られた在任期間の中で
結果を出さなければならない事情などから、
どうしても「聞くこと」より「話すこと」に重心が
寄りやすい構造があるようです。

私は、このこと自体を一方的に批判したいわけではありません。
むしろ、立場や責任が大きくなるほど、
「ちゃんと説明しなければ」
「短時間で印象を残さなければ」

という意識が強くなるのは、ある意味では自然なことだと思っています。

ただ、その意識が強くなりすぎると、
会話が「対話」ではなく「説明」になってしまいます。

そうなると、相手が本当に困っていることや、
まだ言葉になっていない課題、
小さな違和感のようなものを拾いにくくなります。

実際には、そうした雑談や何気ない一言の中にこそ、
次の提案につながるヒントが隠れていることがあります。
正式な議題の中では出てこない本音が、
ちょっとしたやり取りの中で見えてくることもあります。

これは、社外の面談だけの話ではないと思います。
社内でも、上に立つ人ほど「説明する側」「指示する側」に回りやすくなります。

しかし、本当に大切なのは、
相手に何を話したかだけでなく、
相手から何を引き出せたかではないでしょうか。

私自身も経営者として、年齢や経験を重ねるほど、
つい「伝えること」に意識が向きやすくなる怖さを感じます。

だからこそ、相手にどれだけ話してもらえたか、
どれだけ本音を引き出せたかを、常に意識していたいと思います。

話す力も大切です。
ですが、それ以上に、相手の言葉の奥にある背景や本音を
受け取る力が、信頼関係や良い提案につながっていくのだと思います。

こちらが何を話すかだけでなく、
相手から何を聞けたかを大切にしながら、
これからもより良い対話を積み重ねていきたいと思います。
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