金魚おはようございます。いろはです。七夕


何にもない休日の朝。

いつもより少し遅く目が覚めた。

部屋の窓を開けると重たい曇天。

手を伸ばせば細かい雨粒が肌を湿らせる。

今日の予定が決まった。


雨の日は何故か堪らなく本が読みたくなる。

朝食をさっさと済ませて、選書のため本棚の前に立つ。

本を選ぶ時間が好きだ。旅先を決める時みたいに心が湧く。しかし、選り好みをしているとあっという間に時間が過ぎてしまう。選書だけで疲れてしまうこともあるから、なかなか決まらないときは制限時間を設けて感覚で選ぶようにしている。


今日は10分で4冊選んだ。

画集2冊と詩集1冊と随筆1冊。


本が決まれば、あとは飲み物を用意するだけ。

冷蔵庫にストックされた無糖のアイスレモンティーをチョイス。


パタパタパタッ、ポタンッ!

そうこうしている間に、外の雨が本降りに。


音楽を流しながら本を読む人がいる。私もたまにする。雨の日は音楽がいらない。

ザーザージャージャー……


部屋は、もうすぐ昼だというのに薄暗い。近ごろ情熱的な太陽も本日はお休み。

落ち着く。優しい暗さの中で雨音を聞きながら、私は静かに詩集を開いた。 



詩集は、雨、から始まっていた。