雛人形おはようございます。いろはです。卒業証書

 
2月から始まった『ミニチュアライフ展2~田中達也見立ての世界~』も
残り一週間となりました。気づき
先日の20日は3万人突破のセレモニーも開催され、これまでたくさんのお客様が
来館されました。花束本当にありがとうございます。花
 
ということで、本日のブログは、
企画展のテーマにある「見立て」について取り上げてみました。鉛筆
 
「見立て」の意味・・・見送り・送別、見て定めること、見た感じ、なぞらえること、芸術表現の一技法
 
見立ての始まりは、日本神話の『古事記』まで遡れるといいます。
イザナギとイザナミの国産みのシーンで見立てという言葉が確認されています。目キラキラ
 
平安時代になると、和歌や文芸の中で見立ての技法が見られます。
例えば『万葉集』で大伴旅人は、
「我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも」と詠んでいます。
これは、梅の花が雪に見立てられています。
歌人たちは、移りゆく四季の情景を見立てで表現したのです。桜
 
また中世に入ると、見立ては庭園の分野で顕著にあらわれてきます。気づき
有名な京都龍安寺の枯山水庭園。
敷き詰められた白砂や小石は海を、その上に立てられた大きな岩は島に見立てられています。
 
演芸の世界でも見立ては多く取り入れられています。
最も分かりやすいのが「落語」でしょうか。
 
落語家の仕事道具である扇子と手拭いは、話のシーンに併せて色んな物に見立てられますよね。
扇子が箸や筆に、手拭いが財布や手紙に。
見立てを駆使して話を展開させる落語家さんは、
いわば見立て使いですね。ニコニコ
 
特に「扇子」は、見立てに必須のアイテムだったことが分かります。気づき
 
例えば茶道で扇子は「結界」を表すといいます。
挨拶をする際、相手と自分の前に扇子を置くことで、相手への敬意を示すという使い方をされます。
 
他にも相撲や能や舞踊の世界においても、扇を使った見立てが多用されています。流れ星
 
以前、日本舞踊の先生をしていた亡き祖母から聞いた話なのですが、
扇子は、時に舟を漕ぐオールになり、刀になり、雨風といった自然にもなれるのだと教えてくれました。
 
▲亡くなった祖母の形見として受け取った扇子です。
 
 
日本で古来より現代まで綿々と続く、見立てをする文化というのは、扇子と共に紡がれてきたものかもしれないと思いました。
 
そういえば、見立て写真家の田中達也氏の作品の中にも、扇を使用した作品がいくつかあったような……。
 
現代の見立てを堪能できる企画展『ミニチュアライフ展2〜田中達也見立ての世界〜』は、今週31日(日)まで。
 
どうぞお見逃しなく。流れ星