北海道に先住民のアイヌ民族がいることを知っている人は多いと思います。しかし知らない人も多そうです。文字を持たないアイヌはユーカラという叙事詩を口承で残しました。この映画「カムイのうた」はアイヌの少女(北里テル)がユーカラを記録し日本語訳を残し早逝するまでを描いています。
↓カムイのうた
江戸時代から続いていた蝦夷地の開拓はアイヌから見れば大和民族による侵略に他なりません。明治・大正になってもそれは続き学術調査に名を借りた墓暴きが行われました。そもそも旧土人保護法という法律によってアイヌを支配していたのです。この法律が廃止されたのはなんと1997年。
成績の良かったテルは女学校へ進学するものの周囲からの蔑みに悩まされます。しかし言語学者の励ましと支えにより叙事詩ユーカラを文字に書き残す偉業を達成しますが19歳にして心臓病で世を去ります。
かつて北海道で行われていた過酷な差別政策の一端を映画を通して観ることができました。
2024年通算9本目