午前十時の映画祭にはお世話になっています。名画と呼ばれるものをスクリーンで初見したり再見したりできるのは幸せです。暗殺の森はムッソリーニ時代のイタリアの社会を一人の男性の視点を通して描いています。
↓暗殺の森
少年時代に自身の同性愛的傾向を悟った主人公はそれを隠すため当時イタリアでは主流であったファシストになります。大学時代の恩師はパリに住み反ファシスト政権運動を主導しています。その暗殺を命じられた主人公は妻とパリに渡ります。
この映画は現在と回想が交互に描かれていて観るものを混乱させます。しかしそれぞれの色調が青と白に分かれているためあらかじめ知っておくと理解しやすいです。
このことは映画の前後に上映された町山智浩氏の解説が助けになりました。町山氏の解説なしではこの映画の意味や主題がわからないままであったのは間違いありません。イタリアでファシストが多数派であったようにドイツではナチスが、日本では軍国主義が多数派であったのです。
2023年通算150本目