ちょうど100年前に起こった関東大震災。映画「福田村事件」はそのとき発生した虐殺事件により朝鮮人と間違われて殺された人々を描いています。主人公たちは香川県を拠点とする薬売りの行商人一行です。彼らは被差別部落の人らしい。
その彼らがなぜ殺されることになったのか。映画は時代の空気をていねいに描くことで観客にそれを理解させます。
↓福田村事件
当時の世相は戦争帰りの元軍人たちが在郷軍人会を組織し、シベリア出兵により農村から男手がいなくなり、大正デモクラシーとそれに対抗する勢力の衝突、植民地である朝鮮民族への弾圧などかなり不穏なものでした。新聞紙面ではなにか不明な事件が起こると枕詞に「不逞鮮人」を入れる風潮があったようです。
こんな時大災害が起こると日常の中にうっすらと漂っていた悪意が具現化します。デマや流言飛語に惑わされやすくなるのです。現代でもこれは変わりません。東日本大震災のころを思い起こせばわかります。
同じことが起こらない社会になるために必要なことを心がけたいと思います。
2023年通算133本目