午前10時の映画祭でミツバチのささやきが上映されました。学生時代に観たことがある映画です。札幌のミニシアター(ジャブ70ホール)だったと思います。1985年と思われますからずいぶんと昔の話です。当時は映画自体は良い印象をもって観終えたもののよくわからないことが多々ありました。今回は映画の前後に町山智浩氏の解説が入り映画を理解する大きな助けになりました。
↓ミツバチのささやき
映画の製作年は1972年。1940年ころのスペインの田舎を描いています。1972年はスペインではフランコによる独裁政権が続いており厳しい検閲がありました。よって制作側は検閲者の目をごまかしつつメッセージを映画に込めるというなんとも困難なことを強いられています。そのため国内では子ども向け映画との立場を取ります。
おおまかな内容は幼い姉妹が暮らす地にスペイン内戦(市民戦争)の反体制側の兵士が迷い込み、その兵士と妹の交流を描いています。この映画の中には様々な寓意が暗喩の形で埋め込まれておりスペイン国民でなければ解説なしでは理解できないようです。
自由に表現できることの素晴らしさは制限を受けたことのあるものにしかわからないのかもしれません。
ところで私が唯一覚えていたシーンでさえも間違っていました。年月とは恐ろしいものです。
2023年通算115本目