法多山のイベント

「イロトリドリ」

の打ち上げと称して

 

森町の「精進懐石 無庵」さんに

お昼を頂きに伺いました

 

 

こちらは

「お昼をいただく」ということなのですが

 

「炭と濃茶」

を除いた

 

「茶事」のような体験をさせていただけます

 

 

 

お手伝いくださった茶友のご都合が悪く

社中の者たちだけで伺うこととなりました

 

 

 

前日の夜

お一人から体調不良で欠席の連絡がはいりました

 

直前の夜のことですから

代理の方をたてようにも難しく

仕方なく

4名分の会費で3名で伺う旨を連絡しました

 

 

 

雨予報でしたが

この日も晴れ女晴れのパワーか?

雨はふりません

どちらかと言うと涼しめの気候

 

ありがたいことです

 

 

 

予約時間の15分前集合でしたが

皆さん早めの到着で素晴らしいです!

 

 

「刻限は早めに」

【利休七則】

 

ですウインク

 

 

水打ちされた玄関前で

記念写真

 

ちょと透け感ある襌

小物は夏用

絽の半襟・夏用帯揚げに帯締め

 

浴衣でも

入室のときにはちゃんと白足袋でした

 

 

 

囲炉裏まわりで汲み出しをいただき

 

かまど飯が炊けるのを待ちます

 

 

ご案内いただき

 

広間へ

 

 

「雨収山岳青」

紫野誡堂 叟

 

朝まで降っていた雨が上がり

山に囲まれた森町の無庵さん

 

このお軸の通りの景色がひろがっていました

 

 

 

藤井誡堂は大徳寺515世管長

明治生まれ昭和に亡くなっています

戦後の大徳寺復興に尽力された方だそうです

 

 

Mさんに正客席に座っていただき

私が詰

 

慰労を兼ねていますからね

 

 

 

 

 

 

御簾

巻き上げられていました

 

 

古文の中に登場するものの

なかなか本物を目にする機会はありません

貴重な体験です

 

 

 

 

 

建具は鮎の透かしが入った夏障子

真塗りの枠です

 

このような設えに出会えることも

無庵さんの魅力ですラブ

 

 

座布団が敷いてありますが

お尻の下に当てる折りたたみ正座椅子を廊下にご用意くださっています

 

生徒さんお二人共

勝手知ったるで

早速お借りしています

 

 

このような正座椅子で

ゆらゆら動きながら座ることができて

足はしびれず良い感じなのだそうです

 

 

ニヤリニヤリ

足つきの御膳に

飯・汁・向

がのせられて運び出されます

 

茶事のかたちですが

食べやすいように折り敷きではないのでしょう

 

 

炊きたてのかまど飯

おこわに近い感じで美味しいデレデレ

 

汁は赤だし 茗荷を刻み挙げ茄子が一つはいっています

 

赤味噌の味が夏らしく茗荷や茄子といった夏野菜がおいしいです

 

 

おしぼり

酒の代わりの梅ジュースが運ばれました

 

一人ひとりに注いでくださいます

 

一献いただいてからお向付けに手を付けます

 

できたての「ごま豆腐」チュー

 

 

器は「北大路魯山人」の志野

奥様にお尋ねしたら

ひっくり返して「ロ」って書いてある陶印を見せてくださいました

 

 

煮物椀は

 

森町の名産「甘々娘」という

とうもろこしのすり流し

 

甘長ししとうとズッキーニ

を炙ったものがのっていて

「野菜でぬぐいながらお召し上がりください」

とのこと

青柚子がふられていてアクセントになっています

 

甘い甘いとうもろこしの味

私にとって初物です

 

 

飯次でおかわりのかまど飯をいただき

汁替の汁には

揚げ茄子2個に増えていましたデレデレ

 

 

焼き物は「とうふ田楽」で

田楽皿にのってきます

 

串から外していただきました

 

再び飯次

今度は飯次の中にご飯を残しても大丈夫

おいしいので食べすぎます爆  笑

 

 

炊合せは陶器の蓋物に入ってきました

銘々にお出しくださって

 

こういうところにも

茶事より食べやすくしてくださっているお心遣いが・・・

 

自家製飛龍頭・黒皮南京・管牛蒡・しろ菜

 

あ~~~それぞれの野菜の味が生きていますデレデレ

 

 

和物は冷たく

 

白ずいき・新蓮根・きくらげ・三つ葉

辛子酢みそ和え

 

シャクシャク

シャキシャキ

して

いくらでもいただけます

 

 

食べながらも

いろいろな話をします

 

お茶のお教室ではしないような

仕事の話なんかも

 

イロトリドリは今年「茶道体験」だったけどどうでした?

 

どうも活躍の場が少なく

お客様も少なく

生徒さんたちは不完全燃焼っぽいようでした

 

そうですよね~

 

来年はもし機会を頂いたら

抹茶体験の指導をしていただくのが良いかも口笛

 

と思った私です

 

反省を生かしますね

 

 

香の物と湯次

も登場し本当に茶事の懐石の流れを体験できます

 

練習のため

懐紙で器を清めました

 

 

箸を一斉に落とすのもやってみました

 

 

 

しきりに うぐいすが鳴く声が響きます

涼しい森町には

里から暑さを逃れたうぐいすがいるんですね

 

良いところです、本当に!

 

 

 

 

菓子は「水無月」

 

水無月は氷をかたどった外郎?に小豆をのせて

一年の半分が無事すぎることをいのり

いただく菓子です

 

小豆の赤が邪気を払うのだそうです

 

 

 

お腹いっぱい

中立ち

席がかわります

 

 

枡床席にてお薄タイムお茶

 

いよいよいつもお稽古している

お薄の作法が生きるときです爆  笑

 

 

お正客は広間からひき続き、Mさんにお願いしました

 

無庵さんの茶室は聚光院の写しだそうです

床部分が板張りの正方形になっています

 

 

籠に花3種?

 

風炉が土風炉のようです

 

詰めの私

 

鱗灰が撒かれているのをみつけ

生徒さんたちに、もう一回見に来て~おいで

と風炉釜の前に呼び戻して

 

「見て見て!鱗灰!」

 

とちょっと説明します

 

 

 

このような機会はめったにありません

(我が家には土風炉ありませんから)

 

 

干菓子が運ばれました

 

無庵さんご亭主が

「お食事いかがでしたか?」

のご挨拶の後

お薄を点ててくださいます

 

同じ表千家ですが

男点前になりますので

いつもお稽古している所作と少々かわります

 

男点前なのでちょっと違うんですよ

と説明しながら

このような機会も滅多にないから

ありがたいことです

 

 

晩白柚と千鳥の和三盆

 

あら!苦みが美味しいラブ

 

 

正客さまの茶盌は青磁のこぶりなもの

 

磁器なので熱伝導が良く熱い

 

「そういうときには帛紗を使えば良いんですよ」

という助言をいただきました

臨機応変ですね

 

 

 

次客さんはうなぎの絵の茶盌

御所丸茶盌のような雰囲気ですが

お茶をなさらないご友人が焼かれたものだそうです

 

私は瀬戸黒の平茶碗

 

 

 

 

正客さんがお尋ねします

 

「掛け軸は何でしたか?」

 

「読めましたか?」と無庵さん

 

「雨収まりて山岳美し」

 

「おしい、最後は『青』です」と無庵さん

 

ただ「お軸は?」と聞くのではなく

読めた部分を話しながら(間違ってもいいから)

お尋ねあると

ああ、ちゃんと読んでくださったのだとわかりますから

と無庵さん

 

そして干菓子が気になっている彼女は

 

「苦みのあるお菓子は何でしょうか?」

とさらに続けます

 

「晩白柚の砂糖漬けです」

「苦みをわざと残したのですよ」と無庵さん

 

料理過程のお話もしてくださいました

 

やはり感想を加えたお尋ねだと

会話が弾んでいきます

 

グッグッグッいい感じですよ

 

お花も聞いて

 

と小声で私が詰めの席からささやきます

 

ちゃんと籠から聞いてくれてます

 

「有馬籠です」

 

お花は?

 

「あじさい2種、テイカカズラ、ネジバナです」

 

ネジバナはうちのお稽古でも入れていたので

ピンときたようですOK

 

 

鱗灰が撒かれている風炉もお聞きします

 

土風炉のときには・・・

 

とご説明!

 

陶器に漆が塗れるんですか?

とびっくりしてます

 

それが土風炉

 

でも

欠けやすい注意

 

水指はとても風情あります

 

「小萩の雨漏り手」

 

「雨が降ったように滲んでいるから

そういう名があるんですよ

茶盌にもありますね」

 

と丁寧なお答えがいただけます

 

これが私の正客だったら

ここまで丁寧な説明はなかったでしょう

(だって白井さん、しってるでしょ!ということで)

 

Mさんにお正客やっていただいてよかった!

 

やってみますOK

と前向きな姿勢がうれしいです

 

そして

拝見の時間

 

 

 

茶杓は

あれだな!とピンときましたが

私は黙って見ます

ただ、節下がかわっているからよく見てー

と声はかけます

 

棗は今私が気になっている蒔絵

 

蓋を取って正客のMさん

「中が紫色してる?」

と疑問に思ったようです

 

 

「お棗の蓋の内側が紫に見えますが・・・」

と感想からのお尋ね

 

ここから

内側は銀が塗られているという説明をいただけました

蒔絵は「源氏車」

 

ここで

お道具の取り合わせ方のお話もしてくださいました

茶事であったら

この豪華な蒔絵の棗は使いませんよ

 

道具の取り合わせに違和感を感じられるようになると

見る目が育ってきたということ

もっと色々見えて楽しくなりますよ

 

 

茶杓はご自身が初めて削ったものだそうです

 

龍吟雲起

からとった銘「雲起」

 

無庵さんの天井裏にあったふるい竹から削ったそうです

腰蓑茶杓

になっていることも教えて下さいました

 

龍が雨を呼び

雨漏り手の水指

川になって牛車の輪を水につけ

漁師さんは腰蓑をまいている

 

ストーリーがつながっていきます

 

へーーーーーー!

と生徒さん

 

とてもたくさんの勉強をさせていただきました

 

我が家では体験できないこと

無庵さんにきて学ぶことができます

浅葱庵茶道教室の社会見学ブルーハーツブルーハーツ

 

となりました

 

なぜお茶を習う?

茶事を目標にしているから!

そうじゃない教室の人もいるようですよ!

え~~~!

 

この無庵さんと生徒さんの問答を聞いていて

 

生徒さんたちの中に

茶事ができるようになるためのお稽古

という意識がちゃんと育っていたことを知りました

 

すごく嬉しく思いました

 

 

 

無庵さんがおっしゃってくださいました

 

「茶事をやってくれる先生で良かったですね!」

うんうんと頷く生徒さん

 

 

 

ありがたいお言葉でした

 

 

お茶を初めて丸2年経ったから

そろそろお濃茶や炭もやりましょうかね?

(うちは生徒さんの希望でお稽古内容が決まります)

 

 

 

 

 

 

お一人分の持ち帰り可能な料理を詰めてくださいました

 

そして

 

「甘々娘」もお土産に頂戴いたしました

 

 

家に帰って

遅い晩御飯にこちらつまみながら

「あ~~~日本酒飲みたい」

と思う、

時間が経っても

やはり美味しいお料理でした

 

日本酒の代わりに「水」を飲んで

「上善如水だ」と飲んだつもりの夜でした

(アルコール控えるがまだつづいてますえーん

 

 

今度はイロトリドリメンバー全員で

9月に伺います

お伝えしています

 

秋も楽しみですね

皆さんでまた伺いましょう

 

 

無庵さんごちそうさまでした

そして

ブログ「無一物」を貼らせていただきました

 

私のブログをお読みの皆様

こちらをご覧いただきますと

無庵さんの素晴らしさがよくよくおわかりいただけます

 

わたしの心の師です

「師」と呼びたいと申し上げたら「茶友で」と言われましたおねがい

それも嬉しいお言葉でした