GWのころのことです
帰省をされたインスタ友達が
お里の和菓子をお送りくださいました
お里は
岩手県の遠野
お~~~民話の宝庫ではないですか!
柳田國男氏の「遠野物語」をたよりに
オシラサマ
かっぱ淵
座敷わらし
などの伝承を巡った記憶が蘇ります
民俗学やフィールドワーク
が好きです
お菓子のパッケージに
「遠野のしし踊り」
のイラストが描かれています
しし踊り?→岩手県→宮沢賢治→童話「鹿踊りのはじまり」
頭の中で知っているキーワードが連想ゲームを始めました
開けてみると
ぎっしり詰まったお菓子
中村屋製
「明がらす」
は名物なんですね!
由来が書かれていました
昔は「胡桃糖」と呼ばれていたそうです
明治の初めに遠野で起きた百姓一揆の鎮圧のため
維新政府が岡山池田藩の兵を遠野に派遣しました
彼らに種々物資の調達を命じたうえに
毎日上等な和菓子を提供するよう菓子店にも命令が出たそうです
そこで
文化の優れた上方衆に遠野の菓子はこんなものかと
物笑いにされることがあっては末代までの恥
何か美味しい菓子を作って上方侍たちを驚かせようと
苦心の末作り出したのが
胡麻や胡桃などを材料にした「胡桃糖」
それを食べた上方侍たちから絶大な好評を博したので
これを遠野名物とした
ということのようです
「葡萄飴」はぶどう色のゼリーのようなお菓子
せっかく遠野のお菓子が届いたので
これに合う道具組をして
お菓子をいただこう!
と思いました
菓子皿は
蕗をかたどった彫り物
棗 は河太郎(かっぱ)
茶盌は 林檎の灰釉がかかったこぶりなもの
渡瀬美樹 作
風炉先屏風
の
水のような模様が
断然活きてきます
見えにくいですが・・・
蓋置は蕗の葉を持った小人
建水は 秋田杉の曲
東北つながりで
なんとなく統一感ができたような気がして
満足です
では
お菓子頂戴いたします
右が「明からす」
一口頂いて
知っている味です
弘前公園で頂いた
「雲平」というお菓子によく似たお味
米粉と砂糖を練り合わせたお菓子が雲平と呼ばれるものですが
この「明からす」は雲平のアレンジ菓子のような感じです
素朴なお味
いくつでも食べられそう
固くなったら油であげてもおいしい
とお聞きしました
「葡萄飴」
は
和風ゼリー菓子
酸っぱさにびっくり!
ジューシーということです
お菓子を頂いたら
点前座に移動
お客と亭主
一人でやってます
ちょっと濃い目に点てました
せっかくなので
遠野についてネットサーフィンしてみると
こんな言葉に出会いました
有名な語り部「カッパおじさん」こと運萬治男さんの言葉
食べものをつくるのはお天道様と水と年寄りの知恵です。
それを知らない人が増えると食べものを粗末にする、水も大事にしない、年寄りもないがしろにする。
これらを大事にできなければ必ず原点から外れてしまう
遠野から届いたお菓子が
大切なことを伝えてくれました
我が家のまわりでとれた蕗
採って一時間で
お昼のおかずになりました
三陸のわかめ
信州の高野豆腐
佐賀のこんにゃく
遠州の蕗
優しい味の初夏の煮物を
義父と二人でいただきながら
上記の言葉を思い出していました
実は昨晩
義父のご機嫌を損ねました
あ~~~と思いながら寝ました
朝義父から「ごめんね」と先に言われて
仲直り
美味しいもの作るから
仲良くしてください
の気持ちです
お菓子を送ってくださった
インスタ友達さんにも
多大なる感謝
です
ありがとうございました
お陰で
遠野にプチ旅行できました
お茶ってこのようなこともできるんです