『茶道筌蹄』

「旅箪笥 利休形、一説に小田原陣中にて好れしゆへ旅箪笥と云とぞ」

 

とあるそうで

 

小田原陣中の利休さんを思い

 

天正庵あと

にて

旅箪笥を使って野点をしたい!!

 

そんなわけで出発

自分への誕生日プレゼントです

 

道具を積み込み

出発

前日小田原入りしました

体調優れずホテルに入って食事も取らず

白湯だけのんで

とにかく大人しくしていました

 

おかげで

翌朝はすっかり元気

まずは

小田原駅前から車で約20分

 

海沿いの道を西へ

途中から山へあがっていきます

大型トラック(工事中?)

が何台も通っていきますが

すれ違えなくて道を譲り合うくらいの道幅です

とっても

面白い場所

 

着きました

 

天正の小田原攻めの際に

秀吉が利休に命じて

ここの大野さんの屋敷内に

簡単な茶室

をつくらせて

名物を飾り秀吉自ら茶を点てて

武将たちに振る舞った

というようなことが書かれていました

 

その武将たちの名前を見てびっくり

多くが利休のお茶の弟子さんでした

(「ひょうげもん」に書かれていた!?)

 

 

立派な椿

大野さんが住まわれているようです

いまは

「麦踏」というパン屋さんが営業されているとの情報を得

お昼兼野点

こちらのパンを購入する予定でした

 

 

 

 

定休日

 

う~~~ん

 

せめて野点をさせてほしい

 

うろうろ

キョロキョロ

 

人は通りません

 

みかん畑へつづくレール発見

それに誘われて

道からちょっと入ってみると

海が眼下に広がります

山は遅咲きの桜と新芽でこんもり春の景色

良いところだな―

 

こちらの藪の一部をお借りして

野点

させてもらうことにしました

 

 

旅箪笥設置

 

雲龍釜は炉の位置に置きたかったのですが

場所が不安定なので断念

 

近くに万が一の時用の消火水も用意

 

 

建水を持ち出します

 

軽いので

内朱面桶

にしました

 

お菓子は家で作った夏みかんピール

 

芝点てに!

とても便利です

 

 

鶯の声がします

風の音

 

のどかな春の日

 

なんにも考えず

一服

また

一服

 

抹茶は薬なので

どんどん元気が戻ってきました

 

 

風が吹き

野点では道具が安定しにくい

 

そんなとき

この箱型の旅箪笥は

とても具合が良いのです

 

最後は全部飾っておしまい

 

蓋置は

弘前の桜まつりで購入した

津軽の焼き物

藍色で桜が描かれています

鍵がかかって蓋が開かないことも

うまくできているなーーー

 

野点をしてみると

なぜ茶の湯の点前がそう決められているのか

納得がいきます

ホ―――ホケキョ♪

 

また鶯が鳴きました

 

 

 

旅箪笥の中身は全部出して箱に詰めて

車のトランクへ

そのまま新聞などを詰めて

動かないようにして持ち歩くこともできなくはない!?

 

でも

水指の水は水筒に戻し

茶碗や茶筅、茶巾は洗うし

抹茶も棗のままでは倒れて散乱

 

だからやっぱり

運ぶための道具ではないと思いました