一月七日 土曜日

新春初の観能

 

 

大津市伝統芸能会館

にて

シテ の 味方玄さんは

昨年「観世寿夫記念法政大学能楽賞」を受賞され

いま勢いに乗る観世流シテ方です

お年が近いことも有り

学生時代よりお近くで拝見する機会に恵まれていて

(能楽部の合宿にも来ててくださいました)

いまでも「玄さん」とお呼びしています

 

「春日竜神」

仕舞の地謡に入ったり

仕舞を拝見する機会はありましたが

お能は初めてです

 

予め謡本で予習

すると

 

ワキが明恵上人

僧の道を極めようとした超絶人生を歩んだ方で

その

明恵上人が唐そして天竺にわたり

お釈迦様の仏石を巡る旅に出たいと春日大社に暇乞いにゆくと

 

明恵上人ほどの僧を海外に行かせることは

日本の損失

とばかりに

春日竜神が説得に現れ

釈迦の仏跡を面前に映し出し

それによって

 

入唐(にっとう)は♪

止(とま)るべし♫

渡天(とてん)は如何に♪

渡るまじ♫

 

とい歌詞につながるいということがわかりました

 

要は日本に留まります

 

ということ!

 

今回の上演は

龍女之舞

という小書きがついています

 

この龍女の一人が

応援している青木真由人君

彼の舞も楽しみでした

 

舞台にはしめ縄が張られ

今だけの特別感が漂います

一層

神聖な感じ

 

 

 

前シテが幕入りしたあと

本来は

間狂言が入るところを

 

龍女が二人登場して

舞を舞うという趣向でした

 

直前に役の変更があったようです

よって?

二人の舞がピッタリ合っていませんでした

真由人くんはまだ一〇代の若者です

 

これから

舞台上で相手に合わせるということも

学んでいかれるなだろうと思いました

 

ちなみに

面を掛けているので

どちらが真由人くんだろう?

と想像しながら拝見しました

 

主人と意見が会いました

答え合わせはしていませんが

多分正解(笑)

 

お能の前には舞囃子が有りました

 

玄さんの弟さんの團(まどか)さんと田茂井廣道さん

「二人静」

 

直面で紋付き袴

背格好が全く違うお二人でも

プロの芸はさすがです

 

特に團さんの体の周りには空気の層のようなものを感じました

 

柔らかな空気をまとって舞っていらっしゃるように見えました

 

わたしもこんな風にお茶のお点前がしたいなー

ということを思って拝見していました

 

春日竜神に話を戻します

 

予め

明恵上人についてのレクチャーが歌人の林和清さんからありました

 

超絶人生の明恵上人の奇行の数々

四歳で僧を志

美男子だから顔を傷つけて宮中に上がれないようにしたり

一三歳で

すでに年老いた死んだほうがマシ

と墓場に寝たが生きのび

二六歳のとき

修行が進まないことを苦にして

修行に差し障らない耳を切り取ったそうです

 

ガーンガーンガーンガーンガーン

 

イカれてますネガティブ

 

そうやって修行を積み

死んだ人を生き返らせた

という逸話も残るほどの僧になったそうです

 

だから春日竜神も入唐渡天を思い留めるよう説得したんですね!

 

謡本には後場

「春日の野山金色の世界となりて」

とあります

 

どうやって金色の世界を表現するんだろう?

と思っていました

 

太鼓が入り

激しく打ち鳴らすと

後シテが竜神の姿をお表しました

 

金地に黒の装束

黒髭の面となっていましたが

当日もそうなのか?

頭に龍の冠を付け

 

颯爽と現れた途端

あたり一面金色になりました

 

所狭しと舞われる

すると

黄金の空気に変わる

 

あ~~~~~

こうやって金色の世界を描くのか!!

 

と感じ入りました

 

新年早々

おめでたい能を見ることができました