起業したときに決意したこと

先日、私が起業するときに決意した想いと、

自分の育児と仕事との向き合い方に葛藤してきたメルマガを書いたところ、

ものすごく大きな反響を頂きました。

一部抜粋して掲載しますので、よろしければ読んでみてください。

メルマガでは、ブログよりも濃い情報を配信していることが多いので、興味があればぜひ〜！

https://55auto.biz/adorable-asagi/touroku/entryform2.htm

〜以下、メルマガより〜

先日、女性の働き方改革の海外事例を調べていた私は、ある記事に大きく心を揺さぶられました。
それは育休後の職探しを手伝うプラットフォーム「The Mom Project」を立ち上げた女性の記事。
彼女のインタビューの中に、こんな一言がありました。

”自身が母親になる前に、私は母親たちについて多くのことを認識し始めた、と彼女は起業家になる前の最後の仕事について回顧した。
「しかし自分自身が出産休暇を取るまで理解していなかったことは、子どもを持ったあとでは優先順位が変わるということだった」”

この「子どもを持ったあとでは優先順位が変わる」という感覚。
出産経験のある女性であれば、誰もが身に覚えのあることではないかと思います。

私は出産前、仕事が本当に大好きで、「妊婦に思えない」と言われるのが誇りでした。
ほとんど休むこともなく、産休直前まで元気に走り回り、臨月で初のセミナーを主催。
出産後もなるべく子育てに時間や労力、気持ちを持っていかれすぎないよう、
家事を一切やめ、料理もせず、娘の送り迎えは全て夫。

日中はひたすら仕事をして、週末や夜には一人でも気兼ねなく出かける。
そんな生活をしながら、ブログや書籍でも「母でも自分を一番大切に」というメッセージを、ずっと発信し続けてきました。

しかし私がこんな極端とも思える日々を送っていたのは、今思えばですが、
自分自身の優先順位が変わってしまったことを認めたくなかったのだと思います。

男性は、子供がいることで人生の優先順位が変わったりしないのに、

なぜ女性というだけで、自分の人生なのに、自分よりも優先順位の高い何かによって、自分の意思で選べなくなってしまうのでしょうか。

「子供がいるから」という理由で、女性がやりたいことを我慢して当たり前という風潮はおかしい。
母親が子供の責任者であるような感覚は、母親自身の思い込みでしかない。
自分次第でその発想から抜け出すことは可能だし、それを自分自身の人生を持って証明したい。

そんな風に考えていたからこそ、私は
「自分の優先順位は、出産しても全く変わっていない」
と、こんなにも一生懸命に世の中にアピールし続けてきたのだと思います。

しかしこの「子供ができると優先順位が変わる」という言葉を目にしたとき、思わず涙が溢れました。
これだけ「自分を最優先にできるよう」必死に実践してきた私でも、結局それは無理だったことを痛感したからです。

女性は、子供ができると、優先順位が変わります。

これが本能のなせる技なのか、社会通念上のものなのかはわかりません。
しかし４年間子育てをしてきた自分自身の結論として、これは紛れもない事実でした。

母親である私は「子供には幸せでいてほしい」と、何よりもまず思ってしまいます。
その結果、母親は、子供のためにというより「自分のために」子供を最優先にせざるを得ないのです。

出産後の女性が働ける社会の仕組みは、このことを前提として考える必要があります。
今の社会のシステムは、出産後の女性の働き方には、どう考えてもフィットしていません。
だから今だに半分近い女性が、出産を機に退職しているのでしょう。

先ほども書きましたが、今必要なのは、既存の社会の枠組みの中でいかに頑張るか？を考えることではなく、社会の構造自体を変えることです。

起業し、たくさんの女性と向き合う中で、私はずっと考え続けてきました。
どんな社会を実現すれば、女性が育児と仕事を無理なく楽しく両立できるのか。
出産後の仕事と育児の両立に対し、女性が前向きに考えられるようになるのか。

私の考えでは、これはある４つの条件が揃って、ようやく実現可能なのではないかと思いました。それは

・場所にとらわれず
・自由な時間に取り組め
・自分が好きで楽しめる
・高単価な仕事

ということです。

この４つの条件が揃って初めて、女性は最優先である子供を乗り越え、前向きに仕事がしたいと思えるようになると思います。

こんなの実現できたら理想的だけど、絶対に実現不可能でしょ・・・・！
こんな条件で人を雇う会社なんて、どこにもないよ。

そう思われたかもしれません。

でも私はこの社会の実現は、決して夢物語ではないと思っています。
なぜなら少なくとも自分の会社や、自分の周りでは、すでに実現し始めているからです。
100人にも満たない小さな世界ではありますが、この働き方を実現した女性がたくさんいます。

今の社会の仕組みというのは、完全に男性優位にできています。
それは支配者層にいる人が、ほぼ全て男性だからです。

しかしこれは何も、男性たちが女性を虐げようとしているわけではなく、
ただ女性がどういう生き物で、何を望んでいるのかが、男性には分からないのだと思います。
「子どもを持つと優先順位が変わる」という感覚は、多くの男性にはないからです。

だからこそ、女性が幸せに生きられる社会は、女性にしか作ることはできません。

女性たちが、自分たちの理想とする働き方や社会の像をしっかりと持ち、男性が主導である今の社会に対し、自分たちの想いを伝え、自ら動き、働きかけていく。
これ以外に理想を実現する方法はないと思っています。