雨雨降れ降れ
もっと降れ
私の好い人連れて来い
と歌う
ブルース演歌歌手の大御所
八代亜紀姐さんを
例にとっても分かるように
男女２人の切ない
恋愛背景を映し出すために
「雨」はよく用いられます。
私の好きなゲイ歌人
鈴掛さんも
尊敬する歌人枡野さんも
「雨」で名歌を詠んでいるのです。
どしゃ降りの
夜のメールで
飛んでいく
僕という字は
下僕の僕だ
これは
枡野さんを代表する
一首なのですが
亜紀姐のさっきのアレも…
ね…？
何か思いませんか？
そう…
一方通行でしょ？
百歩譲って
一方通行ではないにしろ
相手への想いに
どちらがどうこう…
強弱がついていると
思いませんか？
もっと突っ込んでいくと
雨雨降れ降れ…
雨乞いをして
雨が降れば
ひょっこりカエルが顔を出すことも
あるかもしれません。
昔からカエルは
縁起物とされていて
カエル＝帰る
なのですね。
ですから
今は何処で
何をしているかも分からない
だけど大好き好い人が
雨が降れば
私のもとへ
再び帰って来てくれるかもしれない
亜紀姐の歌には
そんな意味も
裏描写的に
込められているのかもしれまません。
そして
枡野さんはといえば…
上の句の５７５に
２人の間に流れる「温度差」が
生々しいほど如実に
表されています。
可哀想に…
「僕」は
使いっ走りなのですね…
残念ながら
この２人は
とっくに破綻していますよ、多分。
でも…
切ない歌に
名歌が多いと感じるのは
そこに同調したり
共鳴したりするのは
自分の中にも
その「欠片」が
埋め込まれてしまっているからでは
ないでしょうか。
報われない
恋愛ICチップ
みたいな何かが。
１月１７日（水）
去る3日ほど前
行って来ましたーー
恒例エレファントカシマシ新春ＬＩＶＥ！
今年の会場は
あのＮＨＫホールということで
長年の念願叶って大晦日に出演した
紅白歌合戦の記憶も新しいところであり
それはそれは気持ち悪いほどに
終始、宮本は機嫌が良く
自分でも「俺は今日、機嫌が良いです！」と
皆に高々と宣言するほどの
上機嫌っぷり饒舌っぷりでありました。
自らのことを
「お調子者」だと自覚しているようなので
そこがまた
憎めない愛らしさとなり
石くん（ギター）の余り多くはないだろう
毛髪をどんなに引っ張ろうとも
Ｔシャツがビリビリに破れるまで
どんなに引きずり回そうとも
ダンディー成ちゃん（ベース）の
オシャレハットをどんなに奪って被ろうとも
演奏中にベースを略奪し代わりに
奇天烈な演奏をどんなに繰り広げようとも
トミー（ドラム）の腕が
いつか千切れるんじゃないかと
見ているこちらが心配するぐらい
どんなに演奏を煽ろうとも
バスドラ＂ドゴーン！＂と蹴っ飛ばし
「気迫が足んねぇ！！！」とどんなに罵ろうとも
宮本ーー
それは貴方だから
許される
天才ーー
それが宮本だから
許されている
そう思うのです。
石くんの
二度の離婚の原因は
宮本ーー貴方にあると
ファンの間では
にわか囁かれているよ。
プライベートでも
石くんを離さない宮本に
奥方が業を切らしたんじゃないか、って…。
今の生きにくい世の中で
俺、俺、俺！スタンスを
貫き通す貴方は
最早、国宝級です。
今ここで
エレファントカシマシ（宮本）を
国の指定重要文化財に
推奨したいほどです。
私は
ＭＣもほとんどなく
黙々淡々と
男臭くソリッドに務め上げる
緊張感たっぷりZeppスタイルの
＂ＲＯＣＫ一点集中型＂が
好みだったりもしますが…
紅白という晴れの舞台から
約二週間後再びまた
同じステージに立つというのは
様々な軌跡が生んだ
＂奇跡＂だったのではないでしょうか。
今年の新春ＬＩＶＥは
３年ぶり（？）に
金原さん率いるオーケストラチームが結集され
音にも厚みが増して
「真冬のロマンチック」だったかな…
席がスピーカーの真ん前だったこともあり
ダイレクトに身体で受け止めていたら
五臓六腑に染みる染みる…
気ィ失いかけましたよね…
ひとり「真冬の我慢大会」してましたよね。
選曲や構成自体は
前回の大宮とさほど違いはなかったかと
記憶しております。
（曲数は３、４曲多かったけど）
に、してもですよ…
やっぱり
すごい…
すごいとしか
言いようがないのです…
だって…
メンバー皆
５０過ぎの初老のオッサンですよ？
ちょっと無理しちゃったら
すぐ息が上がって
舞台裏で専属ドクターが待機してても
おかしくはないほどのステージを
こなしているわけですよ？
しかも
それがリハーサルだろうとですよ？
どんなに短い持ち時間だろうとですよ？
常に「全力投球」「出し切れ」「使い果たせ」が
モットーなわけですから
一瞬一瞬が「本気」なわけですから…
宮本のみならずメンバー全員
ＬＩＶＥステージの
「生き字引き」ですよ！
（特にドラムのトミー…貴方には頭が上がらない！致死量超えてる！）
そんな彼らを
胸中、熱く応援しているファンは
多いと思います。
今回、私の席斜め前方に
お父さん（推定３０代半ば）とその娘さん（推定５、６歳ぐらい）の親子がおりまして
今しがた購入したであろうエレカシＴシャツを
お揃いの色違いで着ていました。
お子さんはまだ小さいので
立ったり座ったりを繰り返していましたが
終盤の「夢を追う旅人」ーー
この歌が大好きだったのでしょうか…
いきなりの拳フルスィングから
大声で熱唱…
まぁ…
可愛くて可愛くて…
直向きなまでに
小さな拳を振り上げる女の子が
まぁ…可愛くて可愛くて…
それはまるで
天使のようで…
危うく
拉致するところでした。
ＬＩＶＥが終わり
ブカブカの赤いエレカシＴシャツの上に
オフホワイトのダウンジャケットを羽織り
お父さんに手を引かれながら
私よりもひと足先に会場を出て行って
「あの子可愛いかったですねぇ…」と
今回もお付き合い戴いたお師匠に
ポロリ漏らしながら
帰路に着きました。
新宿でお師匠ともおさらばし
私は総武線に乗り込みました。
電車は
大久保、東中野…と各駅に止まり
次の中野駅で奇跡が…
奇跡が起こったのです！
車内乗車口前に
突っ立っていた私は
驚愕します。
扉がプシューと開いた先に…
な、何と…先程の
天使ちゃんがいるではありませんか！
相変わらず
お父さんと仲良く手を繋いで
乗り込んできたではありませんか！
（う、うわ〜…これが独身の若い男女だったら…
こ、こうやって…恋はじまっちゃうやつじゃ〜ん！）
お父さんと天使ちゃんに
ロックオンした私の全神経は
彼らの会話に注がれていました。
天使ちゃん「楽しかったね〜っ！」
お父さん「うん、楽しかったね」
天使ちゃん「次（の駅）中村橋〜？」
お父さん「違ぇ〜よ！高円寺だよ！笑」
天使ちゃん「中村橋は〜？」
お父さん「阿佐ヶ谷で降りてバスに乗るの」
（……ん？）
もうお判りですね。
そうなのです。
お父さんと天使ちゃんの下車駅は
よりによって阿佐ヶ谷だったのです！
そして
改札口へ出るため
エスカレーターを降りようと思い
順番待ちの列に並んでいると…
お父さん、天使ちゃん、私…の順になりました。
その時でしたーー
天使ちゃんが
くるりとこちらを振り返り
ニコッ！
天使の微笑みを
私にくれたのです。
天使ちゃん…
ありがとう。
全身黒尽くめの
魔女のような出で立ちの
こじらせ女代表の
しがない歌人のはしくれである私なんぞに…
ひとつも穢れのない
キラキラキラースマイルを
無償提供してくれて…
天使ちゃん…
本当にありがとう。
天使ちゃん…
和田アキ子風永谷園スタイルの髪型が
とっても素敵だよ…
キューティクル
半端ないよ…
まるでそのキューティクルが
天使の輪のようで…
とっても素敵だよ…
天使ちゃん…
今夜も
いい夢が見れるといいね。
いつかまたどこかで
会えるといいね。
最高の
キラキラキラースマイルを
くれたお礼に
宮本いっぱい貼っとくね。
おやすみなさい。
わたしにも
天使ぐらいの年頃に
キューティクルの輪
あったはずだわ
天使ちゃん…
エレカシにも
こんな時代があったんだよ。
宮本にも
きっとあったんだよ。
キューティクルの輪。
こうなるよ。
こうなるよ。
かっこいいね。
宮本が一番
ノリに乗ってた時だね。
こうなるよ。
りえ子おばさんはね
宮本の髪の毛わしゃわしゃ
無精髭スタイルに弱いんだ。
こうなるよ。
わりと最近の宮本だね。
注射には
苦労しないタイプだろうね。
どうしたら
こういうポーズに
なるんだろうね。
でもね、
宮本本人は
至って本気だから
そこがまたいいんだよ。
え？
天使ちゃんには
まだ分からない、って？
大丈夫。
そのうち
分かる日が来るよ。
天使ちゃん
見てごらん。
ギターのおじさんも
このポーズが得意みたいだよ。
何はともあれーー
エレカシよ
永遠であれ
こう願わずには
いられないよね。
あさがやりえ子