弦楽器における裏板の役割は何でしょうか?
先日の「手作り3弦楽器 南風ワクレレ」製作において、「魂柱」の存在について考えさせられましたが(https://ameblo.jp/asafu1yoshiya2/entry-12477560346.html)、それに伴い、裏板の振動について考察してみました。
 
裏板を体に密着させた場合と、密着させずに体から離した際の各楽器の音量テスト(あくまでも「感覚」であり、データ解析等をしたわけではありません)
①ヤマハ・トラベルギターAPX-T1(小型・薄ボディ)・・・体から離した方が、やや鳴りが良い
②クラシックギター(販売価格10万円程度)・・・体から離した方が、やや鳴りが良い
③ウクレレPIKOブランド(安価なもの)・・・体から離した方が、よく鳴る
④ファイバー三線(表・裏ともにファイバー紙)・・・体から離した方が、よく鳴る
⑤ミンミン(ネック一体くり抜き、極小ボディ)・・・ほとんど差はない
⑥南風3弦ワクレレ(極小ボディ、魂柱付き)・・・体から離した方が、よく鳴る
⑦板張りソプラノ三線(オルゴール内蔵)・・・ほとんど差がない
⑧オープンバックの板張り三線(組立品)・・・密着した方が鳴る
 
⑧番は裏板がないので、唯一「密着した方が鳴る」という結果でした。密着した「人間の体」が裏板の役目をしている訳で、つまり、裏板は(ないより)あった方(塞いだ方)が「鳴りが良い」ということ。
 
体から離した方が、やや鳴りが良い」二つのギター①②は、裏板の面積が広いので、体と密着させても、裏板の振動を完全に妨げることは(物理的に)ないので、「大きな差」は出なかったのでしょう。
 
「ほとんど差がない」ミンミン⑤とソプラノ三線⑦は、裏板が極小、オルゴールを取り付けている、というそれぞれの理由で、「裏板自体がそもそもあまり振動していない」ため、差が出なかったようです。
 
体から離した方が、よく鳴る」ウクレレPIKO③とファイバー三線④と南風3弦ワクレレ⑥は、よく振動する裏板で、裏板のサイズ上密着すると影響を大きく受けるため、大きな差が出たと思われます。
 
 
上記とは別に、オートハープ(足台付)を「柔らかいベッドに置いて弾く」のと「固いテーブルに置いて弾く」のは、明らかに鳴りが違います。前者では、裏板の振動を妨げてしまうので、響きが悪くなります
 
ある人が「自分は楽器を体に密着させないように、特に注意しながら弾いている」と話していたのを、小耳に挟んだことがありますが、おそらく裏板の振動を妨げず鳴りをよくするため、でしょう。
 
まぁ、楽器の演奏法(構え方)の問題もありますが、極力「裏板の振動を妨げない」方が、よく鳴るという、ある意味当然の結果でした。( ‘-^ )-☆
 
 
なお楽器には、求めるサウンド等、色んな要素が絡んでくるので、楽器の製作者・演奏者によって、意見の違いはあると思います。