それって「うつ病」じゃないかも・・
双極性障害について
前回のお話では「うつ病」と似た病気で
「双極性障害」があるのでご自身の症状に
注意をすべき点を挙げました。
↓参考記事
こちらの双極性障害は「躁状態」と「うつ状態」が
交互に現れるということですが、
一般的に、その患者本人は躁状態を病気だと認識できません。
逆にいつもよりも調子がよいと感じて、
「これが本来の自分なのだ」と思う方もいます。
そのため、診察を受けようと思うのは、気分が落ち込んで
苦しくなった「うつ状態」のときになってしまうのです。
とくに双極Ⅱ型の軽躁状態はⅠ型のように激しくないので、
うつ病と診断されてしまいがちです。
海外では、うつ病の症状で受診した患者さんの16%が
双極性障害だったという報告もあります。
また、混合状態といって、「うつ状態」と「躁状態」が
混じって出現することもあります。
双極性障害の「うつ状態」であることに気付かれないまま
抗うつ薬で治療を続けていると、「うつ状態」が治らないばかりか、
急激に躁状態が出現(躁転)したりする恐れがあります。
とくに、三環系抗うつ薬と呼ばれる古いタイプの抗うつ薬では、
躁転のほかに、1年のうちに4回以上も躁状態とうつ状態を繰り返す
急速交代化(ラピッドサイクリング)を誘発してしまうことがあるので、
注意が必要です。
残念ながら今のところ、診察で双極性障害による「うつ状態」なのか
うつ病による「うつ状態」なのかを区別できる有効な方法はありません。
実際、双極性障害の患者さんは正しい診断を受けるまでに、
平均7.5年もかかっているといわれており、診断は容易ではありません。
的確な診断のためには、過去に躁状態
(例:忙しくて何日も徹夜をして仕事をした、
急にいろいろなアイデアが浮かんできた等)になったことがなかったか、
思い返してみる必要があります。
家族や周りの方の意見も聞いてみると、
本人も気がつかなかった躁状態に思い当たることもあります。
また、ご家族や親戚に双極性障害の方がいる場合には、
参考までに注意した方がいいでしょう。
さまざまな情報があると、より的確な判断に結びつきやすくなります。
双極性障害の症状
上記のような症状に心当たりはありませんか?
それはいつごろ起こりましたか?
何年前のことでも構いませんので、思い当たる点は思い出してみましょう。