47 水草展セミナー:水草はなぜ水中に進出したのか? | 水草だいすき。

水草だいすき。

と言ってみることからはじめてみよう

先週の土曜日に、水草展に行ってきました。
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前日に、筑波筑波実験植物園の田中法生氏のセミナー「水草はなぜ水中に進出したのか? 」があることを知り、予約の電話。が、あえなく…キャンセル待ち。
出れることを信じて向かう途中で、「お席が用意できました」と連絡あり。
なんでも30席を40席に増やしてくれたとか。

やったーーーー!ありがとうございますっ。

講義10分前に駐車場入り、ジャストタイムにセミナー会場入りした私。
キャンセル待ちですべりこんだ私の席は、会場右端の特別席。
田中先生がご登壇し、はじまりはじまり~~

*画像掲載の許可は田中先生からいただいています
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まずは水草の定義から教えていただきました。
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ふむふむ。
「水中から一度陸上に進出した植物が、再び水中に進出したもの」
を水草と定義してるんですねー。
故郷を後にして上京したけど、やっぱり最後は故郷に帰りたくなった的な??
なんて思いながら、よくよく話を聞いてみると、

水中は水草にとって「できることなら入りたかった場所」ということです。笑

2億年ほど前に様々な水草が出現するまでは、水中の主な植物は藻類でした。陸上を埋め尽くすように広がっていった陸上植物にとって、水中は、競争相手の少ない「理想郷」だったんですねー。

ところで、水草の種類がどれくらいあるか知っていますか?

およそ2800種だそうです。コケ、シダ、種子植物を合わせた陸上植物が約27万種なので、水草はわずか1%ということになります。かといって、ほんの一部のグループが水中に進化したのではなく、時間が進むにつれて、様々な植物に枝分かれをしながら、陸上から水中への進化がおこっていったそうです。その回数200回以上。先生によると、この数は成功例なので、

「私も水に入りたい!」

と、頑張ってみたものの、入れなかった植物はもっともっと沢山いるだろう、ということでした。
きっと沢山~のドラマがその時代にみられたのでしょう。

その他、水草はどうやって二酸化炭素をとりこむのか、生きるために水中と水上では形の違う葉をつける異形葉の話とか、いろいろ聞いたんですが、

27Lさんの30cm水槽にとって、ちょっとヒントになるような話を聞きました。

詳しくは27Lさんのblogを読んでいただきたいんですが、
http://blog27l.exblog.jp/18325301/
エンゼルフィッシュがいなくなった途端、アオミドロが大発生したそうです。
田中先生いはく、苔の抑制には「水流」が非常に大切だそうで、いくらエビを沢山投入しても、水流がなければ、意味がないそうです。
私の想像ですが、
「エンゼルフィッシュがいなくなったことで、水流がなくなり、苔が発生しやすくなった」
のではないでしょうか。
苔を抑制したければ、全体に循環するような水流をつくることが大事なのですね。

勉強になった!

もっと詳しく知りたい方は、先生の本が出てるんで読んでみてはいかがでしょうか~


私はカツキさんのこの帯につられて、H2特設ショップで購入しちゃいました。
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そして、最後には、顕微鏡でもの凄くめずらしいものを見せてもらいました。
これです。
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大きいのが「ウキクサ」、小さい方が「ミジンコウキクサ」です。

この写真では分かりませんが、顕微鏡をのぞくと・・・
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ん…おしい!
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あ、見えた!分かりますか?
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さらに同席してお友達になった女性(稲の研究者だとか!)のiPhone5でふたりで協力して撮影~
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ぐぐっと拡大。あ、虫!
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じゃなくて、真ん中の芽のようなもの分かりますか?
これがウキクサの「雄しべ」だそうです。「雌しべ」は残念ながら見られず。

さらにもっと小さいミジンコウキクサを見るべく、先生よびだしーーー!
もっと拡大してピントを合わせてくれました。
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水色の○内の葉っぱが普段の状態です。
赤丸の中に見えているのが、ミジンコウキクサの「花」だそうです。
さらに、黄緑の○を見てください。
よく見ると、その中で薄くなっている部分と濃くなっている部分がありますね。
この薄くなっているのが雌しべで濃くなってるのが雄しべだそうです。
雌しべが先に咲いて、雄しべが後から咲くそうです。

やはり!植物界も同じく、全ては女性から生まれるんだーーー!

ちなみに水色の○内のようにちょっとピンクっぽくなってるのは、古くなった葉っぱだそうです。となりの黄緑の葉っぱが若く、だんだんと分裂していくそうです。

にしても、美しい~~~~~

写真では限界がありますが、実際の顕微鏡でのぞいた世界は、きっらきら!の宝石みたいでしたよ。
なんとこの花、田中先生も今年13年間で初めて見たそうです。
今後一生見れないかもしれない花なんだそうです。

セミナーが終わった後先生とおしゃべりしていると、
「もし他の場所でみつけたら教えてくださいね。」
と普通に言われました。先生じゃないんだからーーー!
なんと、ある日先生は、「いつもとミジンコウキクサの顔がちがう」と感じ、採種して帰り顕微鏡で見たら、13年間みれなかった花を発見することができたらしいです。

先生!「顔」ってーーーー!笑



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