先日小石川植物園へ行った際、通りすがりに素敵な教会を見つけました。
小石川白山教会!
オルガンコンサート🎵しかも、オルガン界の重鎮、椎名雄一郎先生が弾かれるということもあり、是非拝聴したい、と本日伺って参りました。
なぜオルガンコンサートに惹かれたのかと言うと、私自身が大学時代、上智大学の元教授だった司祭からカトリック教会で洗礼を受けており、その後も定期的に教会には通い、聖歌隊で歌ったり、オルガンの奏楽を担当していたこともあり、愛しても止まない楽器だからです。
プロテスタントの素敵な教会。
このオルガンコンサートを機に、いろいろ考えてきた、キリスト教主義学校のことについて、考えたことを書いておこうと思います。
一般の人は、そこまで考えないのかもしれませんが、宗教校を受験、と言うだけで我が家にとっては大問題。
尚、ここで書くことは私一個人の意見であり、キリスト者の考えを代弁するものではありません。
最近は宗教2世問題やら、カルト宗教やら、カトリック聖職者による性被害などもマスコミに取り上げられており、また宗教という言葉自体が嫌いな方もいらっしゃると思います。
不愉快な気持ちになりそうな方は、そっと、読み飛ばしてくださいね。
長くなるので、何回かに分けて書こうと思います。
夫の背景
私自身、キリスト教信者ですが、ミッションスクールに通ったことはありません。
なので、1番身近にいるミッションスクール卒業生、夫について書こうと思います。
尚、姑に聞いた話なので、多少事実と異なるかもしれません。
夫の家族
高祖父…同志社出身。明治時代のキリスト教布教に尽力した宗教家。高祖母…夫を支えた熱心なクリスチャン。5人の子供を育てた後、自分の家は教会で、十分な広さがあるから、と、身寄りのない孤児を8人引き取り、私費で育てあげる。
特筆すべきは、この高祖母。
明治の時代に身寄りのない子を引き取るという偉業を成し遂げたことから、かなり先進的な考えをお持ちの方であったのだと推測しますが、特に語り継がれているエピソードがあり。
ある時、食事の後の片付けをしていた時のこと。
子供の1人がうっかりお皿を割ってしまった。
怒られる、と思った子供は急いで割ったお皿を隠したのだそう。
しばらくして、お皿が足りないことに気づいた高祖母。
隠していたのをみた他の子が高祖母に事情を話すしたところ…
怒るどころか、大いに自分を恥じ、
「お皿を割ったことでさえも言い出せないような関係を私が作ってしまった、私の愛情不足が恥ずかしい。〇〇ちゃん、本当にごめんね。」と、自分の至らなさを謝罪したのだそう。
そのような謙虚な方に育てられた夫の祖父は、弁護士として活躍した人です。
晩年は大学で教えたり、書籍を出したりと、多忙だったようですが、残念ながら、夫が生まれる少し前に亡くなってしまいました。
祖父の告別式の翌日に生まれた夫。
祖父の信仰の有無は分かりませんが、子どものころは日曜日になると、家族で教会へ通い、そのまま教会の運営する幼稚園へ進みました。
ちなみに、舅、姑ともクリスチャンではありません。が、高祖母の存在から、キリスト教に好感は持っていたようです。
中学受験の志望校は
周りで中学受験を考えている子と共に4年生になると、四谷大塚準拠の塾に通い始めた夫。
正会員となり、なかなか勉強も頑張っていたようですが、単純暗記の嫌いな夫は理社が苦手。
そこで、途中から国、算の2教科受験の学校に志望校を絞ります。
第一希望は当時、男子の2教科受験校で最難関の早稲田実業。
2教科に絞った作戦が功を奏したのか、12月の模試では偏差値70越えで、早実合格可能性80%の好成績を叩き出します。
それでも親の心配は尽きず…
6年生のクリスマス、家族揃って出かけたクリスマス礼拝の中で、姑はこんなことを祈ったそうです。
「神さま、今まで必死に息子は頑張ってきました。どうか、第一志望でも、第四志望でも構いません。息子が幸せになれる、ふさわしい学校へ進ませてください」と。
そして、早実の試験当日。
その日は大雪だったそうです。
最終模試の結果から自信満々。雪なんてものともせず、やる気満々で試験会場へ向かったそう。
それを後ろから追いかける姑は、
「そんなに急いだら、滑るから!転ぶから!」
と、受験生に対するNGワードをかけ続けてしまったそうな。
その結果、まさかの早実不合格。
今でも姑は、「あの時私があんなこと言ったから。言霊って怖いわね。息子が落ちたのは私のせいよ。」と、述懐します。
そして、第二志望のキリスト教主義学校は合格、進学します。
私が結婚する時、相手の信仰は問いませんでしたが、少なくともアンチキリスト教では困る。ある程度の理解はあって欲しいと願っていたので、夫の、中学からキリスト教主義学校、という学歴は惹かれました。
性格も趣味も全く異なる私たち夫婦ですが、同じ価値観であることで惹きあっていた、というところもあります。
夫が早実出身だったらきっと興味を持たなかったはずです。
早実の結果にワーワーと大泣きした12歳の夫少年。
まさか第二希望に進学したことが、結果、家庭的で温かい学校の環境が夫にはピッタリと合い、20年後、嫁になる人を引き寄せることになろうとは、知る由もありません。
姑の「クリスマスの祈り」は、神さまに通じたのかも。
夫にとっては挫折でも、神様の「はからい」だったのかもしれません。
続きます。