吉備路残照△古代ロマン -45ページ目

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面

 

朧月夜 陸

 

 

 

        几帳         懐紙

 

 

いること

気付かれないようそっと

出た顔が火照っていて赤い。

 

右大臣の顔が赤いのは

病による発熱のせいだろうと思ったが、

 

「顔がずいぶん火照っているようだけど

どうかしたのですか、*六の君

 

*六の君/朧月夜は六女

 

目を落とすと娘の着物が、

男物の紫の帯を引きずっている。

 

「何か、おかしい―」

 

疑念をもった右大臣辺りに

目を凝らすと

几帳の下に和歌などを書き散らした

男物の懐紙が落ちている。

 

六の君

見たことのない懐紙だが―」

 

万事休す!

 

もはや言い逃れできない。

 

といって、

本当のことは口が裂けても言えない。

 

朧月夜はしばし呆然としていた。

 

激昂した右大臣懐紙

拾い上げると御帳台の中を覗き込んだ。

 

漆へ