吉備路残照△古代ロマン -19ページ目

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面㊹

 

 

浮舟 漆

 

 

橋姫神社

橋姫は

『橋の守り神』

祭神は瀬織津比咩せおりつひめ。

境内には

水の神『住吉神社』が並んで祀られている。

 

京都府宇治市宇治蓮華

 

 🔲

 

薫が一杯機嫌で「古歌」を口ずさむ。

 

○さむしろに 衣片敷き 今宵もや

 

  我を待つらむ 宇治の橋姫  『古今集』巻十四

 

狭い敷物の上に衣の片袖を敷いて

寂しく一人寝をしながら、

今夜も私を待っているのだろう

宇治の橋姫のような恋人は

 

薫はほろ酔い気分で口遊んだのだが

人柄なのだろう

妙にしみじみとした興趣をそそる。

 

■

 

「古歌」の含意にピンときた匂宮は

あわてて座を外し

吹雪の山道を宇治へ急いだ。

 

薫の《別荘》に辿り着くと

宇治川の対岸に用意している自

分の《隠れ家》へ浮舟を連れ出した。

 

薫は浮舟

を都に迎える準備を進めているが

そのことを知ってか知らずか、

 匂宮は

《隠れ家》へ着くと

近いうちに浮舟を引き取るという。

 

□

 

浮舟は

どう対応すれば良いのか

想像もつかない事態になった。

 

薫の

《別荘》で上京の準備を

手伝っている母中将の君に事

情を説明することなどできない。

 

■

 

数日後

薫の《別荘》で薫と匂宮

双方の使者が偶然鉢合わせした。