㊱藤壺宮 弐 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面㊱

 

 

藤壺宮 

 

 

藤壺宮

風俗博物館 京都市

 

🔲

 

源氏との不義密通は、

生涯にわたって藤壺を苦しめた。

 

命に代えても

墓場まで持って行かなければ

ならない《秘密》を背負ったのだ。

 

その《秘密》とは

国の根幹に関わるレベルである。

 

「《秘密》を守るために生きていく」

 

藤壺はそう決意した。

 

 

桐壺院没後

宮中は

朱雀帝の外祖父右大臣

弘徽殿大后に支配されている。

 

そういう空気の中で

源氏は自ら須磨へ下った。

 

 

藤壺はわが子東宮のために

是が非でも《秘密》を

守り通さなければならない

 

ただでさえ東宮

大后にとって煙たい存在である。

 

叶うものなら

東宮」を自らに近い人物に代えたい。

 

いずれ「東宮」が即位すれば

宮廷の勢力図がガラリと変わるだろう。

 

大后は「女御」だったころ

桐壺帝の寵愛を一身に集めていた

桐壺更衣激しく

嫉妬し苛め抜いて死に至らしめた。

 

次にの寵愛を独り占めしたのが

更衣と生き写しの藤壺である。

 

更衣をいたぶった弘徽殿女御(当時)

身分の高い藤壺には手も足も出ない。

 

 

困ったことに

源氏藤壺への想いを諦めていない。