㉒都落前夜 弐 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面㉒

 

 

都落前夜 弐

 

 

須磨~明石 

明石~須磨

《東海道・山陽本線 快速》に乗って約12分。 

瀬戸内海に煌めく

陽光を楽しみながらの小さな旅です。

 

 

出立の夜は、

紫の上と水入らずで過ごした。

 

ただ

夜が更けるにつれて

源氏

紫の上の行く末が気になってくる。

 

「須磨という鄙びた土地で

もし

私が世を去るようなことがあれば

紫の上は一体どうなるのだろうか」

 

源氏、

 

○生ける世の 別れを知らで 契りつつ

 

    命を人に 限りけるかな   

 

この世に生き別れがあることを知らず

命の限り別れまいと何度も約束しました

 

紫の上、

 

○惜しからぬ 命に代へて 目の前の

 

    別れをしばし とどめてしがな 

 

光君とお別れするのなら)

惜しくもないこの命にかえて

今のこのお別れの時間を

暫くでも引き止めたいものです

 

源氏

夜明けを待たず

惟光良清などほんの数名

従者ともに須磨へ旅立って行った。

 

一行は、

都を出ると舟で淀川を―。

 

 

次回から、須磨