⑧出生の秘密 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面⑧

 

出生の秘密

 

 

産まれたばかりの薫を抱く源氏

『源氏物語絵巻』

国立国会図書館デジタルコレクション

他言無用

母:女三宮(源氏の北の方)

生物学上の父:柏木(頭中将の嫡子)

戸籍上の父:光源氏(48歳)

当時

権力者であった源氏

女三宮柏木の不義密通

知りながら我が子として育てた

あたかも

桐壺帝知ってか知らずか

(気付いていると仄めかし

いるとも読める場面あり)

源氏と藤壺の不義の子/後の

生涯わが子として大事に育てたように。

 

付記すべきは

向後藤壺息子

ためだけに生きたこと

何があろうと、

子供は《桐壺帝の皇子》で押し通す。

そういう強い決意を身にまとう。

二度と過ちを犯さないために出家した。

もし

発覚すれば

親二人だけではなく子供も

間違いなく宮廷から追放されよう。

 

但し

源氏は父と違い柏木に無言の圧力を

かけ続けついに死に追いやってしまう。

薫自身は

源氏と少しも似ていないので、

自分の出生に疑問を抱きつづけた。

 

第36帖『柏木』