手習⑫宿縁 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語

 

53帖 手習

 

薫27~28  匂宮28~29 中の君27~28

浮舟22~23  明石中宮46~47

母尼80代  妹尼50代

↑横川僧都の↑

 

 

横川僧都  浮舟

浮舟は、

薫と匂宮との三角関係に

悩んだ末、宇治川に身を投げた。

その浮舟を助けて

新たな道に導いたのが横川僧都。

 

(過去記事から)

 

 

 

 

浮舟にとって渡りに船である。

 

「良い機会だわ。

恥ずかしいけれど僧都にお会いして、ぜひ尼にして下さいとお願いしよう。

口出しをする人は出かけていらっしゃるし、丁度いい

 

確かに、浮舟の出家に強く反対している妹尼は長谷寺に出かけていて留守である。

 

日が西の空に傾いたころ、宮中に赴く途中の横川僧都が《庵》に姿を見せた。

 

僧都はまず母尼と会って、御機嫌を伺う。

 

「母上には、お元気そうで何よりです。

妹は、初瀬に出かけているとか。

いつぞやの女君は、まだこちらにお出でですか」

 

母尼、

 

「あの方はいつも気分がお悪いようで、お会いする度に髪を下したいと仰っておられます」

 

 

僧都は、浮舟の事情を聞こうと立ち上がった。

 

浮舟が、先日、宇治川に身を投げて死の淵にあったのを救ったのが横川僧都である。

 

その浮舟を一目見て、妹尼は、若くして亡くした娘の生まれ変わりと信じ込んだ。

 

三者の、それ以来の縁である。

 

横川僧都が浮舟に語りかける。

 

「以前、思いもかけない場所でお目にかかったのは前世からの宿縁があってのことと思います。

 

 

 

 

 

 

 

名作映画案内251

ある男

2022年公開

原作*平野啓一郎の同名小説

監督*石井慶「蜜蜂と遠雷」「愚行録」

主演*妻夫木聡/城戸章良(弁護士)

安藤さくら/里枝(依頼者)

窪田正孝/大祐(里枝の夫)

城戸は里枝から亡き夫大祐

の「身元調査」の相談を受ける。

里枝は離婚後、

子連れで故郷に戻り大祐と再婚。

幸せな家庭くが、

大祐が不慮の事故で死んだ。

長く疎遠だった

大祐の兄が弟の遺影を見て、

 「これは、大祐ではない」。