宿木⑪弁の尼 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語

 

49帖 宿木

 

薫24~26  匂宮25~27

中の君24~26  浮舟19~21  夕霧50~52

 

 

薫と浮舟

浮舟

故八の宮の末娘。

大君と中の君の異腹の妹。

薫と匂宮の二人に愛され苦悩の末

宇治川に入水するが

横川僧都に助けられて尼となる。

横川僧都のモデル

紫式部と同時代を生きた

『往生要集』の著者、恵心僧都源信。

 

 

 

 

弁の尼によると、先日、浮舟が、

「近いうちに亡き父八の宮のお墓参りをしたい」

と話していたそうだ

 

そのことを伝え聞いた薫は、弁の尼に頼んだ。

 

「私も浮舟様と一緒に故八の宮のお墓参りをしたい。

その旨を、会われた際に伝えて下さい」

 

弁の尼が浮舟と会える機会が来たのだ。

 

そこに幸いにも薫が居合わせていたのである。

 

 

 

 

長谷寺への行き帰りの宿泊所として、浮舟は亡き父・八の宮の《山荘》を利用したのだ。

 

母の中将の君は都合で来られず、浮舟が一人で来ているので薫は気が楽だった。

 

弁の尼に、

 

「『私たち二人には前世からの御縁があるので巡り合ったのです』と伝えてください」

 

弁の尼は苦笑して、

 

「いつの間にできた御縁でございましょう。

まぁ、宜しゅうございます。

そのようにお伝えいたしましょう」

 

弁の尼が浮舟の部屋の襖を開けると、薫が浮舟に聞こえるような声で歌を詠んだ。

 

○貌かほ鳥の 声も聞きしに かよふやと

 

    茂みを分けて 今日ぞ尋ぬる

 

顔も声も(恋しい大君に)似ているだろうか

茂みをかき分けて今日は訪ねてきました

 

49帖『宿木』完

次回からは50帖『東屋』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名作映画案内204

原題*Duck Soup

我輩はカモである

1933年公開

監督*レオ・マッケリィ―

主演*マルクス4兄弟

財政難に喘ぐフリードニア共和国

ティーズデール夫人に援助を求めた。

彼女はルーファスを首相にする

という条件承諾するが、

ルーファス首相は強引な手法で混乱を招く。

共和国乗っ取り

を企てていた隣国シルヴェニアの

大使トレンティーノは色仕掛けで夫人

接近しつつ二人組のスパイを送り込む。

ルーファス首相が

二人を側近にしたので混乱に拍車が

かかってシルヴェニアと開戦状態に―。

68分