若菜下⑦猫可愛がり | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

物語

 

35帖若菜下

 

源氏:41~47 紫の上33~39 女三宮15~21 夕霧20~26
明石の君:32~38 明石女御:13~19 柏木:25~31

 

 

女三

楊斎延一画 大東文化大学所蔵

朱雀帝の第三皇女

父帝の計らいで源氏正妻なり紫の上を

苦しめ、のちに柏木と密通してを産む。

〈因果応報〉

源氏を自分の子

として育てる一方、柏木は自殺。

 

明石中宮の子・匂宮が「宇治十帖」でW主演。

ヒロインはご存知、浮舟

源氏直系の孫、匂宮は美男で色好み。

も美男だが、生真面目で恋には慎重。

 

 

 

 

東宮

 

「まことに可愛いらしい。

ところで、にまだ懐いてくれないのは人見知りをしているのであろうか。

もとからいる猫たちも、大して変わらないけれど」
 

柏木

 

「人を見分ける猫など滅多におりませんが、なかには人見知りする猫がいるのかも知れません」

 

そして、さりげなく、

 

「こちらの【御所】には立派な猫が何匹もいるようですから、この唐猫をしばらくお借りできませんでしょうか」
 

内心では「なんと馬鹿げたことを!」と苦笑していたが、何とか東宮の許しを得て持ち帰ることが出来た。

 

それからというもの、明るいうちは付きっ切りで面倒をみる。

 

夜は添い寝。

 

唐猫を女三宮の代わりに絶えず側近くにおいて可愛がった。
 

 

 

 

夜が明けると、柏木はいの一番に猫の世話をした。

 

どこか具合が悪いところはないか丁寧に調べてから、食事を与える。

 

なかなか懐かなかった唐猫も、今では甘えて柏木の衣服の裾にまつわりついたり側に寝そべったりするようになった。

 

 

 

 

 

 

 

渚のアデリーヌ

リチャード・クレイダーマンのデビュー曲。

38か国で発売され、約2200万枚を売り上げる。