藤袴⑭左兵衛督 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

第三十帖 藤袴

 

光源氏37 紫の上29 蛍兵部卿宮  玉鬘25  内大臣40 

明石の姫君9 髭黒大将32   花散里23 冷泉帝19

秋好中宮28  夕霧16  明石の君:28  柏木21

 

 

 

内裏内六衛府所管区域

 

 

 

玉笹 玉は美称

 

 

 

 

髭黒大将の懸想文の要旨。

 

玉鬘がこの十月に参内することを念頭に、

 

姫君と結婚できると思っておりましたのに、いつの間にか月日が過ぎ、深まってゆく空の色がひどく気にかかります」

 

 数ならば  厭ひもせまし  長月に
            

             命をかくる  ほどぞはかなき

 

普通ならば(婚礼や内裏への出仕を)忌み嫌う九月

その九月にあなたへの想いだけに命をかけて

いる何とはかない身の上なのか

 

 

     白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の

    酒はしづかに 飲むべかりけり  若山牧水 

 

 

蛍兵部卿宮は、

 

「今さら私の想いを申し上げても仕方のないことですが、

 

○ 朝日さす  光を見ても  玉笹の


      葉分けの霜を  消たずもあらなむ

 

たとえ朝日のようなの御寵愛をお受けになられても

玉笹の下葉に置いた霜のようなの愛も

お忘れにならないでください

 

せめてこの想いだけでもお分り頂ければ、幾分かは慰められましょう」

 

 

 


式部卿宮の子息の*左兵衛督はしばしば『六条院』に出入りしていたので、玉鬘髭黒と結婚したことを聞いた時はひどくがっかりした。

 

 

*左兵衛督さひょうえのかみ  左兵衛府の長官  従五位上相当。
 

 

 

式部卿宮左兵衛督は、殿の上

 

 

アーサー・ウェイリー著

 

 

 

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