手足口病が大流行(手足口病とは) | 浅部クリニックのブログ

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 外来では手足口病、アデノウイルス感染症、水痘症(水ぼうそう)の患者さんが目立ちます。今回は手足口病はどんな病気かご説明致します。


病状

 手、足、口、特に手のひら、足の裏に水疱のある特徴的な発疹ができます。口は、口腔粘膜に軽い発疹から痛みの強い潰瘍のような口内炎ができることもあります。

原因

 コクサッキーウイルスA10およびA16、エンテロウイルス 71

 これらのウイルスは口腔や腸内で増殖するため、ウイルスに感染した人の鼻汁や便、咳やくしゃみなどにより経口・飛沫などの経路で人から人に感染します。主に夏場を中心に乳幼児や10歳以下の小児がかかる病気ですが、秋や冬にも発生することがあります。ときには大人がかかることもあります。大人は症状が重いようです。

症状

発熱が見られるのは2~3人に1人程度で、通常は高熱が続くことはありません。ウイルスに感染して36日で主に手のひらや足の裏に米粒ほどの赤い発疹あるいは水疱ができ、口の中の粘膜に赤い水疱が出始めます。乳児の場合はおしりや膝に発疹・水疱が出ることもあります。手足の発疹や水疱には痛みはありませんが、口の中の水疱はやぶれて痛みをともないます。小さな子どもの場合、口の中が痛むために食事がとれず、脱水傾向になることもあるので注意が必要です。ほとんどの場合、数日間のうちに治る病気ですが、中枢神経系の合併症のほか、心筋症などさまざまな症状がでることもあります。エンテロウイルス感染症は、ほかに全身に発疹ができる発疹症もあり、下痢嘔吐を伴う急性胃腸炎にもなります。目の白いところが出血して赤くなる出血性結膜炎も、実はエンテロウイルスが原因です。

治療

 いろいろな症状や苦痛を軽減することを目的とした対症療法を行います。手足の発疹のかゆみには抗ヒスタミン薬口の中に腫瘍ができて、痛みが強い場合には、副腎皮質ステロイド軟膏を塗ることもあります。食事ができない時は、口当たりの良いものと水分補給が重要です。

予後

ほとんどの場合は710日程度で自然に治ります。手足口病は一度かかれば免疫ができますが、原因となるウイルスは複数あるので、別のウイルスが原因で再びかかることがあります。