女が三人寄れば、かしましい ――

 

アラサー仲良し三人組のランチタイムは、

 

きょうも職場のウワサ話で盛り上がっています。

 

 

 

 

「こんどの人事、A課長が部長に昇進するって」

 

「やっぱりね。あの人 “人たらし” だから」

 

「あら、でも私、Aさんのこと好きよ」

 

「私も。“人たらし”って言われるのはわかるけど、

 

 悪い印象は全然ないし…」

 

「そうね。普段の話し方も、とっても気づかいが

 

 あるし…。美容院行った次の日なんか必ず声を

 

 かけてくれて、こないだなんか『髪切ったの?

 

 前も良かったけど、ショートも似合うね』って。

 

 ホメ方が上手なのよ」

 

「ああ、それってB男と大違い。あいつなんか、

 

『髪切ったんだ。またフラれたのか』って。

 

 必ず余分な一言あるんだよね。

 

 ああいうデリカシーのない奴、大っ嫌い」

 

「Aさんは感じの悪い言い方、絶対しない

 

 男性の受けだって全然いいし…」

 

「そう、C男が言ってた。前に失敗したとき、

 

 あの周年プロジェクト。あのとき最後まで

 

 かばってくれたのはA課長だけだったって」

 

「知ってる。D部長だって賛成してたのに。

 

 でも最後は “手のひら返し” だったよね。

 

 責任を部下に押し付けるなんてサイテー。

 

 あんな奴、地獄に落ちるわ」

 

「その点、Aさんはスゴイよね。あのときも

 

 C男を、周りにホメまくってた

 

『C男はスゴイ。あの発想を膨らませるのが

 

 上司の仕事なんだ』って」

 

「それもできずに責任だけ押しつけるのって

 

 もうサイテー

 

「C男も言ってた。何が嬉しかったかって、

 

 Aさんが自分のことホメてたって、あとで

 

 いろんな人から聞いたこと。やっぱり直接

 

 ホメられるのも嬉しいけど、周りから聞く

 

 のってチョー嬉しいよね

 

「ちょっとあんた、A課長にゾッコンじゃない。

 

 ダメよ、不倫は」

 

「ないない。顔面偏差値、低すぎる(笑)」

 

「ひっどーい!」

 

「Aさんは男としてっていうより、人として

 

 尊敬できるってこと。女にだけ人気がある

 

 のは “女たらし” なんだから」

 

「あんた、早く食べなさいよ。もう時間よ。

 

 もう、しゃべってばっかりなんだから…」

 

「あんたもよ(笑)」

 

 

 

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