日頃から言葉に敏感な
アナウンサー同士の会話から。
「最近、ファストフード店に行って
気づいたことがあるんだ」
「え、何、何?」
「店員さんのお客さんへの声がけが、
以前と変わってきてるんだよね」
「え、どういうこと?」
「お客さんが来店したとき、以前は
『いらっしゃいませ』だったのが、
いまは違う言い方をするところが多いんだ」
「え、どういう風に?」
「吉野家は接客マニュアルから
『いらっしゃいませ』を外して
『こんにちは』『こんばんは』に
変えているんだって」
「どういう意味があるんだろ?」
「お客さんの立場で『いらっしゃいませ』と
言われても、返事のしようがないよね。
でも『こんにちは』と言われたら?」
「『こんにちは』って応えちゃうかも」
「そう、それが狙いらしいね」
「たしかに券売機やタッチパネルで商品を選ぶ時代、
本来のコミュニケーションを図る
試みの一つということかもしれないね」
「さすがアナウンサー。上手くまとめたね」
外食業界の一部では、すでに
日常の〈あいさつ〉が導入されています。
お客さんの立場では、威勢のいい
『いらっしゃいませ』の方が気持ちがいい、
という意見も当然あるでしょう。
そもそもファストフード店で
コミュニケーションなんか求めていないよ、
という意見だって少なくないはずです。
でも〈あいさつ〉の効果・効用を
軽視してはいけません。
〈あいさつ〉は、初対面の相手の警戒心を解き、
好感度を高め、親近感を持たせ、
その場の空気を明るくします。
たとえ一方的に終わったとしても、
〈あいさつ〉はリスクゼロ
《最強のワード》なのです!