NHKのニュースで、画面の右上に
こんな文字が表示されていました。
「AI自動音声で
お伝えしています」
この表示がなければ、
イントネーション、滑舌、間(ま)など
人間のアナウンサーが読んでいると
誰もが信じてしまう完成度です。
そこで気になるのは、このままでは将来、
人間アナウンサーは必要なくなるのか?
という率直な疑問です。
以下、ある日の人間アナとAIアナの会話です。
「AIさんの活躍はめざましいね。スゴイよ」
「ありがとう。君からそう言ってもらえると
とっても嬉しい。そもそも君たちのために
ボクらは生まれてきたんだから」
「え、どういうこと?」
「だって、君たちは本当に忙しすぎるだろ。
24時間体制でニュースのスタンバイなんて
人間のすることじゃない。ボクらだったら
早朝も深夜もまったく関係ない。だから
体調をくずして急に休むなんてこともない」
「ああ、それはありがたいけど……」
「だったら、もっと感謝してほしいなあ。
この際だから、はっきり言わせてもらうよ。
ボクらはニュースの誤読なんて絶対にしない。
噛んだり言いよどむなんてことも絶対にない。
新しい単語のアクセントもすぐ辞書で調べる。
どう考えても、人間より優れているのさ!」
「そんなに威張らなくても…… 」
「おいおい、どうした、どうした? ん?
すぐ弱気になるのが人間のダメなところだ」
「そうさ。人間には “感情” があるからね。
弱さや悲しみ、苦しみを知っているから、
人々に寄り添ったニュースを伝えられる。
AIには “人間らしさ” が欠けているんだ」
「その課題は十分に承知しているさ。だから…
これからの進化に注目してほしいってこと」
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結局、プライドとプライドのぶつかり合いで
ケンカ別れになってしまったようです(苦笑)。
ひとまず人間アナを代表してまとめると――
人間アナはAIアナのできないことに注力する。
ニュースの企画や取材、現場のインタビュー、
さまざまな人間の感情に応えられる臨機応変な
対応に磨きをかけていく――そうしなければ、
アナウンサーの未来はないでしょう。