テレビ朝日『相棒』を観ていて

 

気づいたことがあります。

 

 

 

©テレビ朝日 東映

 

 

 

水谷豊さんが演じる杉下右京警部は、

 

普段は穏やかな雰囲気なのですが・・・

 

 

 

 

犯人を逮捕したあと、その犯人に向かって

 

険しい顔つきで、声を震わせ、

 

怒りをあらわに言葉をぶつけます。

 

 

 

 

でも、けっして「バカ野郎!」とは

 

言いません。

 

 

 

 

「バカなマネをしては

 いけません!」

 

 

 

そう、常に丁寧語なのです。

 

 

 

 

びっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくりびっくり

 

 

 

 

同じく丁寧語で諭(さと)すといえば――

 

すぐに思い当たるのが、

 

裁判官の説諭(せつゆ)です。

 

 

 

 

 

 

 

 

裁判官は判決を言い渡したあと、

 

被告人に対して一言、自分の思うところを

 

語りかけます。それも丁寧語で…

 

 

 

 

たとえば……

 

 

 

 

(窃盗罪で有罪の男性に対して)

 


「世の中それほど捨てたものではありません。

 

人を信用して、困ったときにはどこかに

 

相談をしてください。

 

私に会いにきてもいいし、そのときは、

 

裁判官としてできるだけのことをしたいと

 

思います」

 

長峯超輝著『裁判官の人情お言葉集』

(幻冬舎新書)から抜粋

 


 

 

裁かれる立場でありながら、裁く人から

 

丁寧語で語りかけられる――

 

このときの被告人の気持ちは、はて?

 

 

 

 

丁寧語は相手に敬意を表す敬語表現です。

 

人はみな平等だよ、対等の立場だよ、

 

そんなニュアンスで語られる言葉は、

 

間違いなく被告人の胸を打ちます。

 

 

 

 

刑事と犯人の関係も同じです。

 

 

 

 

どんな人間関係であろうと、

 

丁寧語は、

 

コミュニケーション

 

潤滑油になるのです。

 

 

 

 

浅沼道郎の本

周りの9割が味方に変わる話し方

(みらいパブリッシング)