某テレビ局の番組プロデューサーA氏は、
業界のカリスマとして有名です。
とにかく出演交渉が上手なのです。
相手がどんなにテレビ嫌いでも、
面と向かってA男さんから出演依頼されれば、
なぜか「YES」と言ってしまうのだそうです。
元プロ野球選手で、いまは解説者のB氏は、
こんなエピソードを紹介してくれました。
もう20年も前のことですね。
私がまだ新人だった頃、シーズンオフに
A男さんの番組に出演させてもらいました。
収録のあと、レストランに案内されたんです。
実はこの日は女房の誕生日で、
早めに失礼しますとお伝えしたら、
30分だけお付き合いくださいって…。
ええ、本当に30分きっかりだったので、
テレビ局の人は(時間に正確なんだなあ)と
驚いたことを覚えています。
でももっと驚いたのは、帰り際に
AD(アシスタントディレクター)さんから
山ほどのバラの花束を手渡されたことです。
そのときのA男さんの言葉がまた
粋(いき)だったんです。。
『うちのADは気がきくんです。
奥様へのプレゼントです』って。
それから毎年、その日には
自宅にバラの花束が届くんです。
ええ、もう20年間ずっと。
そんな人から何か頼まれたら、
断れると思いますか?
断れませんよね(笑)
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極上の言葉に涙する夜があってもいいじゃないか | みらいパブリッシング (miraipub.jp)