【問1】 [〇]
事業用電気工作物の技術基準への適合に関する知識問題。電気事業法や電技における基礎的な用語が問われる。この条文は見慣れているので幸先よく解ける。

【問2】 [〇]
電気工事士法及び電気工事士法施行規則に基づく同法の目的、特殊電気工事及び簡易電気工事に関する知識問題。電気工事士法第一条は丸暗記すべし。

□電気工事士法…この法律は、電気工事の作業に従事する者の「資格及び義務」を定め、もって電気工事の「欠陥」による「災害」の発生の防止に寄与する事を目的とする。

 

また、特殊電気工事は「ネオン工事」又は「非常用予備発電装置工事」をいう。

【問3】 [△]
電技に基づく公害等の防止に関する知識問題。知識不足で何となく選択肢を埋めても、(イ)だけは条文の知識が無いと回答できないのでここで覚えるべし。

中性点「直接」接地式電路に接続する変圧器を設置する箇所には、絶縁油の構外への流出及び地下への浸透を防止するための措置が施されていなければならない。

【問4】 [〇]
電技に基づくガス絶縁機器等の危険の防止に関する知識問題。全体的に「六フッ化硫黄ガス」を意識すれば回答できる。六フッ化硫黄ガスは無色無臭無毒かつ化学的に安定であり、この特徴からして機器に求められるのは耐火性よりも安全性、爆発性よりも無毒性といえる。

【問5】 [〇]
発電用風力設備に関する技術基準を定める省令に基づく風車の安全な状態の確保に関する知識問題。条文だけでなく風車に関するある程度の知識も必要で、プロペラの回転数が上がり過ぎた時は安全かつ自動的に停止できる措置を講じなければならない。

プロペラの回転数は速ければ速いほどよいわけではなく、一度回転を始めると慣性モーメントで弾みがついて止め難くなるなど本質的に困難な制御が行われている。そのため「制御装置」の機能が著しく低下した時も安全に自動停止しなければならない。油圧装置ではないので注意。

プロペラ(=ローター最高部)の地上高さが「20m」を超える発電用風力設備には「雷撃」から風車を保護する措置を講じなければならない。対流圏の風は高度20m程度で大きく変化する事はなく、そのぐらいの高さでも避雷針が設けられる事から雷撃のイメージはし易い。(建築基準法により20m以上の建物は避雷針の設置が義務付けられているらしい)

【問6】 [〇]
電技解釈に基づく電気使用場所などの定義に関する知識問題。正答はできたがこの条文はよく読んでおくべし。需要場所、電気使用場所、工作物、造営物、建造物の違い(というか包含関係)をしっかり押さえるにはこの条文が最も読みやすい。

【問7】 [×]
電技解釈に基づく低圧幹線の施設に関する知識問題。低圧幹線の分野は教則本で習っておらず条文集を深く読み込まないと解けない。登場する数字も55%、35%など見慣れないものが多いので今は後回しにすべし。

【問8】 [〇]
電技解釈に基づく架空弱電流電線路への誘導作用による通信障害の防止に関する知識問題。誘導作用の問題が出た時は幾つかのキーワードで連想できる用語があり、電磁誘導作用は電流に関連し、静電誘導作用は電圧に関連する。誘導障害の防止には電線の「ねん架」を行う事、誘導障害は電線同士が「平行」している場合に発生する。

【問9】 [〇]
電技解釈に基づく低圧連系時の系統連系用保護装置に関する知識問題。一般送配電事業者により電路の再閉路が行われる時、分散型電源は系統から「解列」しておかなければならない。分散型電源の「単独運転」は非常に危険な異常事態なので、直ちにこれを解列できる装置を施設しなければならない。

【問10】 [△]
再生可能エネルギーの施設に関する知識問題。a,b,c,d全ての内容を吟味しないと回答できないタイプの問題である。a,b,dが〇である事は何となくわかるので一応正答にはたどり着けるが、小出力発電設備の詳細な定義は覚え難いながらも基礎知識レベルなのでここで覚えるべし。

【問11a】 [△]
電技に基づく電気使用場所の配線に関する知識問題。B問題でありながら難易度は低く、(ア)(ウ)(エ)(オ)はこの条文を知らなくても法規の勉強にある程度慣れていれば回答できてしまう。(イ)は特別高圧が入る。条文を読んでおくべし。

【問11b】 [×]
周囲温度と絶縁電線の導体数が与えられている時、その「電流減少係数」から導体の公称断面積を求める計算問題。このような計算は全く習っておらず、電力科目でもそのような問題が出る事がある。

 

まず定格電圧と定格三相電力から定格電流を求める。次に許容電流と許容電流補正係数を掛けてそれぞれの計算結果を出しておき、これらすべてに電流減少係数を掛ける。それらを比較して定格電流をギリギリ下回る許容電流に対応する公称断面積を表から選べばよい、とはいえ知らないと全然解けない。とりあえず解き方を軽く押さえるぐらいにしておくべし。

【問12a】 [〇]
三相短絡電流を求める計算問題。電力科目でもお馴染みのテーマだが、本問はインピーダンスがRとXで与えられており、それらの基準容量も異なる。それでもIs=(In/%Z)×100の公式で簡単に解けるので、ここでやる気を削がれてはいけない。

【問12b】 [〇]
aで求めた変圧器2次側の三相短絡電流が生じている時、変圧器1側に接続されているCT(変流器)で変成されたOCR(過電流継電器)の入力電流を求める計算問題。三相短絡電流の一次換算にさえ注意すれば簡単に解ける。

【問13a】 [△]
自家用水力発電所を保有し、電力系統から受電する工場の消費電力や逆送電に関する計算問題。一日の消費電力と発電電力が図のように与えられている時、その日のうちに逆送電した電力量[MWh]と受電電力量[MWh]を求める。



電力は需要と供給が瞬時瞬時で常に等しく、自家発電で余った電力は電力会社に逆送電される。その様子を見るには2つのグラフを重ねなければならない。



このうち逆送電されるのは赤で囲んだ部分となり、自家発電運用しつつ受電した電力は青で囲んだ部分となる。これらの面積を頑張って解けばよい。4箇所の面積のうち左端の青色部分は更に分割して面積を考える必要があり、解法を立式するのも意外に難しくて時間が掛かる。この問題が最後に設問されているのが親切に思えてくるほど時間が掛かる。

【問13b】 [△]
この日のうちに自家発電で発電した電力量[MWh]のうち、工場で消費した電力量[MWh]の比率を求める計算問題。これはまだ簡単に解ける。ただしaが解けないと回答できない。解法は理解できるので特訓しなければならない。