【問1】 [△]
電気工作物の定義に関する知識問題。電気工作物は一般用と事業用があり、事業用は電気事業用と自家用に分けられる。ただし分類だけ知っていても回答できないので条文をしっかり読むこと。(電気事業法38条・53条)

【問2】 [×]
太陽電池発電所の設置に関する知識問題。全ての選択肢の記述内容を理解していないと解けないが、電圧の区分から正誤判断できる記述もある。非常に難しい。

例えば電気主任技術者は電圧5万V以下の「事業用電気工作物」の保安監督ができるが、aは低圧(一般用電気工作物)なので電気主任技術者の監督範囲ではない。

【問3】 [△]
電技に基づく地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止及び、地中電線路の保護に関する知識問題。「接近又は交差」という特徴的な文言は簡単だが、(ウ)(エ)は条文を知らないと厳しい。(イ)はギリギリ正答できる。条文を読むべし。

【問4】 [〇]
電技に基づく電気使用場所における異常時の保護対策に関する知識問題。騙されたと思って読んでみると、安全第一の電気機械器具や電路の保安において明らかに矛盾した記述が一つだけある。

【問5】 [〇]
電技解釈に基づく接地工事の種類及び施工方法に関する知識問題。遮断時間と接地抵抗の関係、その条文を知っていれば回答できる。混触により低圧側電路の対地電圧が「150V」を超えた場合の遮断時間という定義も忘れてはいけない。

【問6】 [〇]
電技解釈に基づく発電所等への取扱者以外の者の立入の防止に関する知識問題。この分野で覚えるべき数字は5mと6m、35000Vと160000Vなど。高圧・特別高圧の設備はそもそも一般人が立ち入る事は許されず、電気機械器具等の充電部は接触しなくても接近するだけで絶縁破壊などの危険があり、施錠措置をして取扱者以外の出入りを制限する措置を講じなければならない。

【問7】 [〇]
電技解釈に基づく架空電線路の支持物の昇塔防止に関する知識問題。取扱者以外の者が鉄塔や電柱に昇ってはいけない。取扱者が昇降に使用する足場金具等は地表上1.8m以上に施設する。ただし次のいずれかに該当する場合はこの限りでない。

・足場金具等が「内部に格納」できる構造である場合
・支持物に昇塔防止の装置を施設する場合
・支持物の周囲に「さく、へい」を施設する場合
・「山地」であって人が「容易」に立ち入る恐れがない場所に施設する場合

【問8】 [×]
電技解釈に基づく電動機の過負荷保護装置の施設に関する知識問題。(イ)で迷う。条文読むべし。(電技解釈153条)

【問9】 [〇]
電技解釈に基づく分散型電源の高圧連系時の系統連系用保護装置に関する知識問題。問題自体はそれほど難しくないが、本問の条文を読み込んでおくべし。

【問10】 [〇]
電力の需給に関する知識問題。デマンドレスポンスやネガワット取引の話題が問われている。これまでは需要優先で発電量を調整してきたが、供給状況に応じて需要を変化させる「デマンドレスポンス(=需要応答)」が重視されるようになり、電気の削減量に応じて需要家が電気事業者から報酬を得る「ネガワット取引」の活用が進められている。ネガワット取引はアグリゲータ(複数の需要家を束ねて電気削減量を電気事業者と取引する事業者)を介して行われる。

【問11a】 [△]
電技解釈に基づく風圧荷重の適用に関する知識・計算問題。風圧荷重は甲乙丙の三種類があり、甲乙丙の順序を少し並べ替えるが次のようになる。

・甲種… 風速40m/sかつ風圧荷重980Paで計算
・丙種… 甲種の1/2の風圧荷重(490Pa)で計算
・乙種… 丙種かつ電線周りに厚さ6mm、比重0.9の氷雪付着で計算

これらは甲種を基準にすると考えやすく、高温期(春夏秋)に日本にやってくる台風の風速を40m/sとして計算するように定められている。風圧荷重はその適用区分についても覚えなければならず、次のように纏められる。



「時期」の高温期に注目すると全て甲種である。低温気に注目すると下から順に甲種又は乙種・乙種・丙種つまり甲乙丙の順になっている。この表を全体的に覚えるには地方種別の「氷雪の多い地方」かつ「冬季に最大風速を生じる地方」から上に向かって表を描く練習をすべし。

本問は「氷雪の多い地方」かつ「低温期に最大風速を生じる地方」で、その低温期において電線1条、長さ1m当たりの風圧荷重[N]を問われている。この条件が該当する風圧荷重の種別は表によると右下の「甲種又は乙種」なので計算は次のようになり、

・甲種の場合=980[Pa]×15×(10^-3)[m]×1[m]=14.7[N]
・乙種の場合=490[Pa]×(15+12)×(10^-3)[m]×1[m]=13.2[N]

を比べて値の大きい方を選べば答えに辿り着ける。

【問11b】 [△]
低温期に適用される風圧荷重が乙種風圧荷重となる仕上がり外径を求める計算問題。要するに、aの結論で選ばれたのが甲種だった為、乙種を選べるようにするには仕上がり外径を幾らにすればよいかという方程式を立てればよい。しかも風圧荷重の大きさを比較するので「不等式」を使うことになる。"<"で計算すると12mm未満となるので、その境目ギリギリは12mmとなる。

【問12a】 [〇]
2つの負荷に電力を分配する3相3線式配電系統の電圧降下に関する計算問題。上流側と下流側の相差角が小さいとして得られる例の近似式を用いて、与えられた条件から配電線の一部の長さを計算する。一本の方程式を立てるだけで解けるので比較的簡単である。

【問12b】 [〇]
与えられた条件から配電線の全体の長さを求める計算問題。aと同じ要領で解ける。

【問13a】 [×]
太陽光発電を設置した需要家の一日の発電電力と消費電力のグラフが与えられている時、ここに電力供給する変圧器の一日の損失電力量[kWh]を求める計算問題。損失を求めたいのに電流や電圧が一切与えられておらず、その代わり「全負荷銅損」「鉄損」「定格容量」が与えられている。大枠の論理の立て方が非常に難しい。

① 鉄損が与えられているので覚えておく。
② 部分負荷銅損[kW]はα^2×Pcで求められる。αは負荷率。
③ 消費電力から太陽光発電による発電量を差し引いたグラフを作る。
④ そのグラフで部分負荷[kW]ごとの銅損を[kWh]単位で求める。
⑤ ④で求めた銅損電力量[kWh]を合計する。
⑥ ⑤で求めた銅損電力量[kWh]に鉄損電力量[kWh]を足せば答え。

キーになるのは部分負荷銅損に関するがっちりとした理解である。初見では本当に無理なのでよく練習しておく事。

【問13b】 [△]
変圧器の全日効率を求める計算問題。一日運転して判明した入力電力量に対する消費電力量の比を求めればよい。消費電力量を③で作ったグラフから求め、これにaの結論を加えて入力電力量を求めれば全日効率に使う値が全て得られる。