私が元気で、陽気でなきゃ周りの人々に心配をかけるという思いもあったから、御心配戴いても、「僕なら大丈夫」と云い続け、云い続けることで本当に元気になって来たような気がしている。
「気合いだー」と叫ぶほどの元気はないが、自分に言い聞かせることは出来るようで、毎日一度は「今日も僕は元気だ」というようにしてきた。
でも友人を失うってボディーブローのように後からじわじわ効くものである。
勘三郎の時も、團十郎さんの時も、今回の三津五郎の時も、頭の中が変になったようで、喜怒哀楽がバラバラになってしまうのである。
一番悲しい時に怒ったり、悔しいのに笑ったり、自分の気持ちが自分の表情や言葉と逆になったりする自分が自分で信じられなかった。
だからもう二度とそんな風になりたくないのである。
だから神仏に願う、私の周りの人々をそう簡単に連れて行かないでくれと。